【創作】物語の結末について考える【ラストシーンの見極め方】
「物語の結末」に悩んでいる書き手は多いでしょう。
たしかに、物語が収束するタイミングを見計らうのはかんたんなことではありません。
印象的なラストシーンを演出したいのであれば、その難易度はもっと高くなるでしょう。
今回は「物語の結末」について、基本となる考え方をご紹介します。
「心に残るラストシーン」は期待しない
小説を読んでいると、印象的なラストシーンに出会うことがあります。
たった一文で強く感動したり、また読みたいと思ったりと、良い意味で読後感が支配される結末です。
書き手としては「読み手の心に残るラストシーン」にしたいと思うのは当然ですね。
しかし書き手の狙いどおりに物語を終わらせることに対して、あまり期待しないほうがいいでしょう。
印象的なラストシーンには、そこに至るまでの積み上げがなければ成り立ちません。
最後の数行程度で、大きなインパクトは与えられないと思ったほうが健全です。
物語の結末を考える場合、もっとシステマチックな観点をもって、構造からアプローチする必要があります。
「結」の在り方で決まる
構造から考えるとはいえ、書き手がマネージする範囲を広げすぎると、なにも手につかなくなってしまいます。
結末を書くときには、起承転結でいう「結」にポイントをしぼることが重要です。
「結」がしっかり成立していて、機能しているのであれば、その物語は締まっているはずですね。
いいかえれば、書き手は物語の構造から「物語を締めるタイミングを探る」のです。
具体的には、物語に生じる起伏から「どこかで着地できそうなところ」を確認するのです。
あるいは、「すでに着地しているところ」でもいいでしょう。
これを見つけられなければ、その物語は「起承転」をくり返すことになります。
極端にいえば、何万文字書いても物語を終えることができなくなったり、中途半端にぶつ切りしてしまったりする恐れがあるのです。
物語はおさまるべきところにおさまる
物語を書いていると「ここより先はない」や「ここでしか終われない」と感じるタイミングがあります。
書き手は物語の大きな流れのなかで、そのタイミングを感じとり、見極めましょう。
物語は、おさまるべきところにおさまるのです。
それはきっと、結末のベストタイミングでしょう。
もちろん、終わらせ方のテクニックや工夫を否定するわけではありません。
しかし自然に終わることができれば、そのタイミングに従ってみてもいいのではないでしょうか。
不自然なまでに引き伸ばしたり、物語が締まらないまま筆をおくよりも、読み手の胸にスッと落ちてくれるはずです。
起承転をもって進んできた物語の”うねり”を感じとり、「結」でスマートに収束させましょう。
■ 参考
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