内外の要素から物語を進める
今回は、物語の進め方について考えます。
物語を進めるパターンは、大きく分けて2つあります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
ひとつは、「プロット主導」で進めるパターンです。
エンタメ小説では、プロット主導で進む物語が多く見られます。
舞台の設定から展開まで、あらかじめ決めていた筋書にそって描いていく方法ですね。
さまざまな障害や謎を設定できるため、物語をダイナミックに動かすことができます。
つまり、外的な要因から物語を構築していくのです。
もうひとつが、「キャラクター主導」で進めるパターンです。
純文学では、キャラクター主導によって進めることが多いですね。
主人公の願望にしたがい、気の向くままに展開しても物語は成立します。
人間の感情や、生き様を表現するにはうってつけです。
プロット主導の場合とは異なり、こちらは内的な要因から物語を駆動させるわけですね。
注意すべきは、このどちらかを選ぶべきではないということです。
むしろ、世に出ている物語ではこの両方とも混在しているのが一般的です。
プロット主導で物語を進めるといっても、登場人物のパーソナリティは無視できません。
選択肢を与えられるような場面では、登場人物が決断したように描くはずですね。
キャラクター主導によって進む物語の場合も同様です。
そもそも外的な要因がまったくないとしたら、物語を動かすことは難しいでしょう。
ただし、「物語を進めている要素が何であるか」を書き手は意識しておくべきです。
その場面は、外的な動きから魅せるべきなのか。
あるいは、内的な動きから魅せたほうが良いのか。
まったくもって自覚していなければ、そのバランスをとることも、使い分けることもできません。
何が物語を主導しているかを意識することは、「内外から読み手を魅了する物語」を書くことにつながります。
もちろん、これはそうかんたんに書けるものではありません。
しかし書き手がこれを無視していたら、チャレンジすらできないのです。
「何が物語を主導しているか」を自覚し、意識しながら物語を進めていきましょう。
■ 参考
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