外出先での執筆アイテムを考える
紙とペンさえあれば、いつでもどこでも執筆はできます。
しかし実際には、執筆アイテムとして主流となっているのはパソコンであり、ほとんどの書き手がデジタルな環境下で執筆しているのではないでしょうか。
そんなときに思うのは、「外出先でどうやって書くのか」です。
今回は、外出先での執筆アイテムにフォーカスしながら、持ち歩きに最適なデバイスについて考えてみましょう。
メインにもなり得るノートパソコン
「持ち歩き」の代表格といえば、ノートパソコンです。
実際、多くの書き手がノートパソコンを使って執筆しているのではないでしょうか。
調べものをするのも、クライアントにデータを送信するのも、執筆以外の作業もこれ一台ですべて完結します。
普段はデスクトップパソコンを使いながら、一台のノートパソコンを「執筆用」としてほかと区別している場合もあるでしょう。
執筆することのみを目的とするなら、なにも高価なノートパソコンでなくてもかまいません。
2~3万円程度の価格帯でも、十分なスペックのものを購入できます。
しかし、昨今の状況を考えると、持ち歩きにおけるノートパソコンの優位性はあまり高くないのが現実です。
正直なところ、ほかのデバイスのほうがよほどコンパクトに携帯できるでしょう。
家のなかで場所を変えながら執筆する程度なら最適ですが、外出するときに常にこれを持ち歩くわけにはいきません。
一泊二日程度の旅行であれば、本来はそれほど多くないはずの荷物にノートパソコンをねじこむことになります。
いくらノートパソコンとはいえ、ものによってはなかなかの重量があります。
取材旅行ならまだしも、プライベートでの旅行であれば、荷物として”かさばる”のは避けたいはずですね。
もちろん、MacBook Airのように、軽くて薄いものもあります。
ただし、このような製品は押しなべて高価なものばかりで、ラフに持ち歩くには気が引けると感じてしまうこともあるでしょう。
このように、いくらノートパソコンが便利であっても書き手のフットワークに対応できない場合が多いのです。
外出先での執筆として考えるなら、ほかの選択肢に目を向けるのが自然です。
テキスト入力に特化したポメラ
文章を書くことだけを重視するなら、専用のものを用意したほうが作業は快適になります。
テキスト入力に特化した端末が、ポメラです。
実際、プロの作家もこれを使用して執筆していることをよく耳にします。
書くことに重きをおくのであれば、強くおすすめできる製品ですね。
一昔前は、「パソコンとのやりとり」にストレスを感じていたユーザーが多かった印象があります。
クラウドサービスが充実している昨今、記録メディアがSDカードであったり、わざわざデータをQRコードに変換して読み込んだりと、データの移行に何かと不便を感じる仕様でした。
新しいモデルでは、ほかのデバイスが絡んだときの実用性が格段に改善されています。
国語辞典や類語辞典が搭載されていたり、独自の日本語変換システムを導入していたりと、書き手のユーザビリティを第一に考えて作られています。
本体には無線LANも備わっているため、エディターアプリにデータをアップロードすることも可能です。
自宅ではパソコンを使って作業して、外出先での執筆はポメラを使うのも良いですね。
「具体的なメモ」のような感覚で、思う存分文章を書き連ねることができます。
とくに小説を書く場合などは、「執筆専用機」としても選択肢に入ってくる製品です。
外出用の執筆アイテムとして、ポメラは間違いなく候補のひとつとして挙げられるでしょう。
なんでもできるiPad
最後にご紹介するのは、iPadです。
アプリの利用を含めると、現代のライティングに必要とされる機能はすべてそろっているといえます。
外部キーボードをつなげる前提にはなりますが、まとまった文字数の執筆にも対応できるでしょう。
カメラがついているだけでなく、画像編集も可能で、メールもラインも資料検索もこれ一台で実現できます
私が使っているのは iPad Air2 です。
2年ほど前に購入した古いモデルで、当時は執筆への活用を考えていませんでした。
動画を観たり、電子書籍を読んだり、車にマウントしてナビ代わりに使ったりと、ライフスタイルを充実させるために購入したのがきっかけです。
それが、外出先での執筆に利用してみると、意外にもなかなか良かったのです。
ランダムに訪れる「書きたいタイミング」にも対応するため、ポメラの購入を考えていました。
しかし前述したように、当時は仕様に不便さを感じ、自分の用途にあうモデルがなかったのです。
手持ちの iPad での執筆を試してみたところ、ここに必要十分な手ごたえを感じました。
執筆環境の整備としては、外部キーボードをいくつか試しただけです。
書きやすさ(打ちやすさ)には不満がありますが、ブログ記事の更新程度であればパソコンと遜色なく作業できます。
iPad がもっている本来の多様性も含め、自分の行動や生活様式を侵害しないことも大きなポイントでした。
むしろ、執筆以外のところでも便利に使えているため、総合的に「外出先で使うデバイス」として覇権を勝ち取ったのです。
これは旧モデルでの使用感ですから、iPad Proではもっと利便性が改善されているかもしれませんね。
さすがに値は張りますが、執筆以外の用途にも幅広く活用できるため、一考する価値はあります。
私は外出先での執筆アイテムに iPad を使用していますが、これはひとつのロールモデルでしかありません。
それこそ、執筆にかかわる一切の作業を「紙とペン」で行う人もいるでしょう。
荷物が増えることを苦に思わない人は、ノートパソコンを持ち歩いても良いのです。
ポメラを使って、ゴリゴリと書く人もいるはずです。
状況をみながら、これらすべてを複合的に使うのもありですね。
なにより、書き手のスタイルや用途にあわせたものを選択することが重要です。
アイテムを買うことを目的とするのではなく、何を書きたいかを考え、その表現を手助けしてくれるアイテムを選びましょう。
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