思い出したことを書く

2017年9月9日

 

自発的に書く文章でも、誰かに書かされる文章でも、「何を書けばいいのかわからない」という状態になることがあります。

今回は、その原因と対策について考えていきましょう。

 

たとえば、工場見学のレポートを書くとします。

感想の欄には、「勉強になった」「参考になった」「今後の業務に活かしたい」というような、書き手が思ったことを書くはずです。

 

しかしこれだけではあまりにも体裁がとれないので、さまざまなことを付け加えようとします。

多くの場合、このタイミングで手が止まってしまうでしょう。

まさに、「何を書けばいいのかわからない状態」ですね。

 

 

ここで、原因を明確にしておきましょう。

「何を書けばいいのかわからない状態」になるのは、書き手が思ったことを書こうとしているからです。

 

思ったこと、つまり感想は、一行か二行もあれば十分に書けるくらいにシンプルなのです。

感想だけを書こうとすれば、材料が足りなくなってしまうのは当然です。

主として書くべき内容は、「思ったこと」ではないのです。

 

それでは、一体何を書けばいいのでしょうか。

材料となるべき事柄が足りないのですから、まずは内容を思い出すことが必要です。

 

 

 

 

工場見学について思い出した内容

・設備が最新鋭だった

・工場内が清潔だった

・柔軟なサポート体制があった

 

仮に、このような内容を思い出したとします。

 

この「思い出す」というプロセスが、「何を書けばいいのかわからない状態」への対策となります。

詳細を思い出せば材料がそろうので、具体的に書くことができるのです。

つまり、書くべきは「思ったこと」ではなく、「思い出したこと」なのです。

 

 

感想として書く内容

・設備が最新鋭だった ⇒ 次の機会には、操作方法についても学びたい

・工場内が清潔だった ⇒ 職場環境に対する配慮の差を感じたので、今後の参考にしたい

・柔軟なサポート体制があった ⇒ これを参考に、改善提案として提出したい

 

このような展開の仕方をすれば、読み手も納得できるクオリティの文章になるでしょう。

「思ったこと」から書こうとすれば、「勉強になった」「参考になった」「今後の業務に活かしたい」のような単純な言葉しか浮かばなくなります。

 

 

まずは書くべき内容の詳細を思い出すことによって、材料をそろえましょう。

「思い出したこと」を材料にすれば、上記のように建設的な展開ができるようになるのです。

 

これで、「何を書けばいいのかわからない状態」からは脱却できるはずです。

「思ったこと」を書くのは、「思い出したこと」を書いてからで良いのです。

 

 

Posted by 赤鬼