思い出したことを書く
自発的に書く文章でも、誰かに書かされる文章でも、「何を書けばいいのかわからない」という状態になることがあります。
今回は、その原因と対策について考えていきましょう。
たとえば、工場見学のレポートを書くとします。
感想の欄には、「勉強になった」「参考になった」「今後の業務に活かしたい」というような、書き手が思ったことを書くはずです。
しかしこれだけではあまりにも体裁がとれないので、さまざまなことを付け加えようとします。
多くの場合、このタイミングで手が止まってしまうでしょう。
まさに、「何を書けばいいのかわからない状態」ですね。
ここで、原因を明確にしておきましょう。
「何を書けばいいのかわからない状態」になるのは、書き手が思ったことを書こうとしているからです。
思ったこと、つまり感想は、一行か二行もあれば十分に書けるくらいにシンプルなのです。
感想だけを書こうとすれば、材料が足りなくなってしまうのは当然です。
主として書くべき内容は、「思ったこと」ではないのです。
それでは、一体何を書けばいいのでしょうか。
材料となるべき事柄が足りないのですから、まずは内容を思い出すことが必要です。
・設備が最新鋭だった
・工場内が清潔だった
・柔軟なサポート体制があった
仮に、このような内容を思い出したとします。
この「思い出す」というプロセスが、「何を書けばいいのかわからない状態」への対策となります。
詳細を思い出せば材料がそろうので、具体的に書くことができるのです。
つまり、書くべきは「思ったこと」ではなく、「思い出したこと」なのです。
・設備が最新鋭だった ⇒ 次の機会には、操作方法についても学びたい
・工場内が清潔だった ⇒ 職場環境に対する配慮の差を感じたので、今後の参考にしたい
・柔軟なサポート体制があった ⇒ これを参考に、改善提案として提出したい
このような展開の仕方をすれば、読み手も納得できるクオリティの文章になるでしょう。
「思ったこと」から書こうとすれば、「勉強になった」「参考になった」「今後の業務に活かしたい」のような単純な言葉しか浮かばなくなります。
まずは書くべき内容の詳細を思い出すことによって、材料をそろえましょう。
「思い出したこと」を材料にすれば、上記のように建設的な展開ができるようになるのです。
これで、「何を書けばいいのかわからない状態」からは脱却できるはずです。
「思ったこと」を書くのは、「思い出したこと」を書いてからで良いのです。
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