自分の文章に責任をもつ
無責任な文章を目にすることがあります。
もっとも多いのは、断言することを避けていて、書き手の考えがぼやけている文章です。
そのような文章では、内容すらもぼやけてしまいます。
具体的には、このような文章です。
どんなにお金に困っていても、友達からは借りないことにしたいと思っています。
「金の切れ目が縁の切れ目」といわれるように、関係が壊れてしまう恐れがないわけではないからです。
他に頼れるところがない場合は、もしかしたら借りるかもしれません。
まず、この文章はすべての文末表現があいまいになっています。
二重否定や推量を使いながら、言い切ることができていないのです。
さらに、最後の行では「もしかしたら借りるかもしれません」と、今までの内容を無視するようなことが書かれています。
まさに、無責任な文章です。
どんなにお金に困っていても、友達からは借りないことにしています。
「金の切れ目が縁の切れ目」といわれるように、関係が壊れてしまう恐れがあるからです。
他に頼れるところがない場合でも、絶対に借りません。
文末を言い切るように改善し、内容が矛盾しないように書きかえました。
細かい修正点をくみとることも大事ですが、視野を広げて全体を見てみましょう。
こちらの文章には、書き手の強い意志が感じられますね。
書き手の考えが正しいか正しくないかはさておき、責任をもって文章を書いている様子が伝わります。
このように、「自分の文章に責任をもつ」といっても、内容の正しさを強制するわけではありません。
ただ、書き手の考えを読み手に伝わるように書くだけでいいのです。
確かに、伝えるためには「失敗したときにペナルティをうける」とか「間違ったら批判の的になってしまう」という不安があります。
まとまった考えを書くには、さまざまな資料に目を通して新しい知識を学ぶ必要があり、たくさんの時間がかかります。
自分の文章に責任をもつということ。
言いかえれば、それを乗り越える勇気をもつことです。
自分が書くすべての文章に責任をもつ、そのような書き手になりましょう。
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