2020年の終わりに
今年もあとわずか。
この一年の活動を振り返ってみましょう。
価値観の変化「会わないこと」
もっとも大きなトピックといえば、やはり新型コロナウイルス感染症でしょう。
感染のリスクを減らすためには、人との接触を極力少なくしなければなりません。
あなたにとっての大事な人を守るため、すべき努力は「会わないこと」です。
現実には不可能であっても、これが最大の配慮であり、これ以上ない愛情表現になるわけです。
このように価値観が変化したことは、重く捉えるべきです。
物書きは「人と会う機会」が圧倒的に少ない職業ではありますが、これを無視することはできません。
なぜなら、世間の価値観が変化すれば、書き手としての活動が様変わりするのも当然だからです。
実際に私自身、今までとはまるで違った一年になりました。
取材について
もっとも痛手だったのは、取材ができなくなったことです。
別媒体での活動ではありますが、今年取材予定だったイベントはすべて中止になりました。
小売・飲食業関係も状況は厳しく、店舗の営業を自粛していたり、場合によっては取材自体を断られたり。
毎年必ず取材していた店舗があったのですが、お店をたたむことになってしまい、悲しく寂しい思いをしました。
私自身、常に引きこもって文章を書いているわけではありません。
平均して月一回程度、都道府県をまたいでの移動があります。
会社や事務所に属しているわけではないので、判断基準の定めるのも、意思決定を行うのも、すべて自分次第です。
タイミングによっては「県外移動があって間もないから」という理由で、取材のご依頼を断ることもありました。
非常に心苦しかったのですが、先方も納得していたようでした。
いうまでもなく、これまで経験のなかった状況です。
おそらく今後も続いていくでしょうし、ひょっとすると元のようには戻らないかもしれない。
めまぐるしく変容するなかで、しばらくの間は手探りで活動していくことになるでしょう。
どうしてもネガティブな要素を含んでしまいますが、このことについては書き記しておかなければならないと思いました。
ブログは好調だった
しかしながらブログは好調でした。
緊急事態宣言下をピークとして、平均のPV数があきらかに底上げされたのです。
自分自身で戦略を練ってアクションをかけたわけではないので、外部からの「特需」があった状況です。
この特需を「皮肉」のように捉えるべきか、あるいは「恵み」として素直に喜ぶべきか、まだ整理できていません。
ただ、弱小個人事業主としては精神的に救われました。
前項にもあったとおり、世の中の価値観は大きく変化し、先が見えない状況が今もなお続いています。
そのなかで独自の手段でマネタイズできるかどうかは重要です。
『文章の鬼』でいえば、ごくたまに商品紹介はするものの、企業からの案件をもらったことは一度もありません。
知識を共有しているのであって、アクティブに取材に出かけるブログでもありません。
つまり、利害関係をもたないインディペンデントな体制なのです。
だからこそ、世の中の影響を受けにくい傾向にあることに気がつきました。
ひたすら、感謝
そもそも『文章の鬼』は、金儲けを考えずに開設したブログです。
コロナ禍によって謀らずも勢いがついたとはいえ、ここから得られる広告収入の金額などたかが知れています。
実際、このブログから入ってきたお金が私の生活を力強く支えてくれたわけではありません。
それでは一体、私は何に救われたのか。
いうまでもなく、読者の皆さまです。
明日のこともままならない世の中であっても、ブログには毎日たくさんの人が来てくれています。
顔も名前も知らない誰かが読んでくれていると思うと、自分の価値が証明されているような気持ちになります。
かんたんにいえば、勇気が湧いたのです。
世の中が混乱していると、心身ともに疲弊してしまいます。
しかし、だからこそ見えてくるものがありました。
いつも感謝しているつもりですが、その思いはより大きくなっています。
本当にありがとうございます。
皆さまがいるおかげで、来年もまた書き続けられます。
2021年もどうか、よろしくお願いいたします。
赤鬼
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