ファミレス言葉を避ける

2017年4月26日

 

レストランやカフェで、しばしばこのようなセリフを耳にします。

「お待たせいたしました、アイスコーヒーになります

この文末表現は、誤用です。

 

「なります」は「成ります」であって、AからBになるときの状態変化に使われる表現です。

お客さんにアイスコーヒーを提供したのであれば、元からアイスコーヒーでなければなりません。

 

提供から5秒後くらい経てばホットコーヒーがアイスコーヒーに変わるというなら話は別ですが、そんなはずはないですね。

 

つまり、本来であればこのように表現すべきです。

「お待たせいたしました、アイスコーヒーでございます

 

 

 

 

このような誤用とされる表現は、ファミレス言葉とも呼ばれています。

ファミレス言葉は、語感がやわらかく、丁寧に聞こえます。

しかし、日本語として不自然な表現が多く使われています。

 

 

 

● ファミレス言葉の例と改善例

「5,000円からお預かりします」   → 「5,000円、お預かりします」

「おタバコはお吸いになられますか」 → 「おタバコは、吸われますか」

「以上でよろしかったでしょうか」  → 「以上でよろしいですか」

 

 

 

話し言葉は、書き言葉に影響を与えます。

特にファミレス言葉のような、日常生活のなかで耳に入ってくる言葉には注意が必要です。

 

このような表現は、文章に持ち込まないようにしましょう。

誤用とされる日本語を識別できるように、普段からアンテナを張っておくことが重要です。

 

 

Posted by 赤鬼