箇条書きを用いる文章の差
箇条書きを使ったほうがいい場合と、そうでない場合があります。
この差はどこから生まれるのでしょうか。
例文を比較しながら考えていきましょう。
会議の持ち物を指示する文書です。
箇条書きにしてみましょう。
■持ち物
・ノートパソコン
・収支報告書(前期分)
・トラブル報告書(事前配布済み)
ずいぶんと見やすくなりましたね。
それでは、もう一例見てみましょう。
あなたの悪いところは、プライドが高く、他人を認めようとしないところだ。
指摘を受け入れない態度は、あなた自身にとって良くない。
悪いところを注意する文章ですね。
言葉は厳しく見えますが、指摘の対象となっている人のことを思っているのが伝わります。
こちらも箇条書きにしてみましょう。
■あなたの悪いところ
・プライドが高い
・他人を認めようとしない
・指摘を受け入れない
読みやすくはなったかもしれませんが、自分がこの文章を受け取ったらどんな気持ちになるでしょうか。
ただ悪いところをリストアップしたのでは、ただの嫌がらせでしかありません。
これは改善文とは言えないですね。
さて、同じように箇条書きを選択したのにもかかわらず、これほどまでに違いが表れました。
AとBで、何が違っていたのでしょうか。
正解は、内容の客観性にあります。
内容の客観性を重視するかどうかで、箇条書きの扱いが変わってくるのです。
内容の客観性が重視される場合には、書き手の主張を盛り込む必要はありません。
代表的な例としては、ビジネス文書です。
箇条書きを用いれば、無駄な表現を省くことができるので、必要な情報をスピーディに伝達できます。
内容の客観性が重視されない場合、書き手の主張をもとに文章を組み立てなければなりません。
書き手の主張を省いて要点だけ伝えてしまえば、感情が伝わりません。
つまり、例文のように、印象の悪い文になってしまうのです。
客観性が重視されない文章に箇条書きを使うのは、むしろ逆効果なのです。
わかりやすいからといって、むやみやたらに箇条書きを使ってはいけません。
判断基準として、内容の客観性を意識しましょう。
そこに差があることを理解できるようになれば、より文章を組み立てやすくなります。
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