事実を先に書く

2017年8月28日

 

すべての文章に含まれる内容は、「事実」と「感想」に大きく分かれます。

これらは、文章構成において優先して考えるべき要素となります。

なぜなら「事実」と「感想」の組み込み方しだいで、文章の読みやすさが変わってくるからです。

 

 

 

原文

先月15日に行われたビジネスパーソン向けの講演に出向いたことについて、非常に有意義な時間を過ごすことができたと感じています。

その内容は、今後の働き方を大きく変えるような、数多くの「気づき」が含まれていました。

市民会館の大ホールが満員になるほどの盛況ぶりでした。

 

内容は理解できるにしても、どこかぎこちなさを感じる文章です。

これは、「事実」と「感想」を混同したまま書いていることに原因があります。

まずはこれらを区別しましょう。

 

 

原文

先月15日に行われたビジネスパーソン向けの講演に出向いたことについて、非常に有意義な時間を過ごすことができたと感じています。

その内容は、今後の働き方を大きく変えるような、数多くの「気づき」が含まれていました。

市民会館の大ホールが満員になるほどの盛況ぶりでした。

 

赤字が「事実」で、青字が「感想」です。

これらを組みかえて、文章を再構成しましょう。

 

 

 

改善文

先月15日に行われたビジネスパーソン向けの講演は、市民会館の大ホールが満員になるほどの盛況ぶりでした。

その内容は、今後の働き方を大きく変えるような、数多くの「気づき」が含まれていました。

非常に有意義な時間を過ごすことができたと感じています。

 

原文で感じたぎこちなさが、なくなりました。

もうお気づきかもしれませんね。

文章を構成するときは、「感想」よりも「事実」を先にもってきたほうが読みやすいのです。

 

 

ビジネスシーンでの実用文はもちろん、ブログなどの書き手が自由に書ける文でも同様です。

「事実」をわかりやすく言いかえるなら、5W1Hです。

これを先に提示しておくことで、事実関係が明らかになります。

 

逆説的に考えれば、事実関係を明らかにしてからでないと、先には進めません。

書き手の「感想」を示すのは、それからでも遅くないのです。

 

Posted by 赤鬼