読点の用法 基本の5つ
読点の用法はさまざまで、そのすべてに意味や役割があります。
ここでは、基本中の基本である5つの用法に絞ってご紹介します。
今まで、自身の感覚のみを頼りに読点を打っていた人は、この内容をもって意識づけしましょう。
1. 主語を明確にするため
例文
台風の影響で今朝から降り続けていた雨は、夕方になるまで止まなかった。
主語をはっきりさせるための読点です。
日本語の文章は主語があいまいになりがちなため、もっとも重要な用法のひとつといえます。
例文のように主語が長くなったとき、つまり「主題」として扱う場合にも、この用法は活躍します。
2. 文を区切るため
例文
昨日は晴れていたが、今日は土砂降りだ。
文と文をつなぐときに、それぞれを区切るための読点です。
例文では、逆接を示す助詞「が」のあとに打つことで、文を読みやすくしています。
この用法は、つなげた文の意味を区別する役割を担っています。
3. 語句を並べるため
例文
日本国民の義務は教育、勤労、納税だ。
語句を並べるとき、それぞれを差別化するための読点です。
もしも区切らなければ、語句同士が密着してしまうことになりますね。
この用法は語句だけでなく、節や句を並べる場合にも使えます。
4. 誤読を避けるため
例文
ここではきものを脱いでください。
A. ここで、はきものを脱いでください。
B. ここでは、きものを脱いでください。
句や節をつなげたとき、誤読を解消するための読点です。
例文をみると、前半部分にひらがなが続いていて、読点の位置によって文の意味が変わっています。
このような文章には、必須といえる存在です。
5. 前置きの節や語句を区切るため
例文
その後、彼は去っていった。
前置きとして書いた節や語句を、本題から区別するための読点です。
読みやすくなるのはもちろん、前においた言葉を強調する効果があります。
節や語句の区切りを表す性質をもっているため、「」や()を使わずに引用を示すこともできます。
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