自分にしか書けないことを見つける
ありきたりな内容を並べるだけでは、価値のある文章を書くことはできないでしょう。
自分にしか書けないことがあれば、たとえ秀逸な書き方でなくても、その文章は特別なものになります。
「自分にしか書けない内容」と銘打てば、難しく考えてしまうかもしれませんね。
しかし、コツさえつかめば、意外にもかんたんにできてしまうのです。
昨年末、イタリアに旅行した。
観光名所をまわったり、おいしいものを食べたりした。
サッカーの試合を観にいったのは、特にいい思い出となった。
内容のほとんどは、単なる説明でしかありません。
読み手の立場で考えましょう。
書き手自身に興味があるとか、よほど特別な事情がないかぎり、読まなくても差し支えない内容ですね。
これでは、読み手を引き込むことはできません。
改善しましょう。
昨年末、イタリアに行き、サッカーの試合を観にいった。
ACミランとインテルの『ミラノダービー』を生で観戦できたのは、いい思い出となった。
試合途中、インテルの選手がゴールを決めたとき、となりの美女が抱きついてきたことには驚いた。
少し違った意味で、「海外サッカーはスケールが違うな」と実感した瞬間だった。
まずは4行目(試合途中~)に注目しましょう。
これは、現地に行った人しか経験できないことです。
つまり、「自分にしか書けないこと」=「経験したこと」を、文章に盛り込めば良いのです。
この経験を主軸にして、思ったことや感じたこと、考えたことなどを書いてみましょう。
それが5行目の内容(少し違った~)ですね。
書き手しか実感できないことが内容にあれば、読み手はその文章に価値を見出すのです。
原文にあった説明書きのような内容は、あくまで補足するための役割と考えましょう。
優先すべきなのは、主軸となる内容です。
この「主軸」に、独自の経験を据えおくのです。
「自分にしか書けない内容」と聞けば、突飛な発想や独特な着眼点、秀逸な言い回しを連想するかもしれません。
これらはとても大事なことですが、もっとシンプルに考えましょう。
例に挙げたように、独自の経験を中心に据えおくだけで、文章の価値がぐんと上がるのです。
これこそが、かんたんに良い文章を書くコツのひとつです。
とくに自由な題材で書ける文章となれば、これが出来るかどうかで文章の仕上がりが変わってきます。
独自の経験を見つければ、おのずとオリジナリティのある文章を書けるでしょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません