プロットの定義を考える

2018年5月4日

今回はプロットについて考えてみましょう。

 

そもそも、プロットとは何か。

よく見聞きする例えは、「設計図」ですね。

 

 

結果からいえば、この例えはとても的確です。

設計図なしに書き始めるとなると、さまざまなミスを引き起こす確率が高くなります。

ストーリーの配分がおかしくなったり、前後のつじつまが合わなくなったり、伏線の回収がなされなかったり。

実用文でも同様ですが、設計図がない状態での組み立ては大きなリスクを伴うのです。

 

 

プロットと混同されがちなのは「あらすじ」ですね。

とても似ている両者ですが、厳密にいえば、それぞれの果たすべき機能や役割は異なります。

 

そもそも「あらすじ」は、読み手に向けて書くものです。

いわば、ざっくりとした「説明書」であり、映画でいうところの予告編のような機能も備えます。

 

それに対して「プロット」は、書き手側がストーリーの概要を整理するためのもです。

書き手側というのは、執筆する本人はもちろん、編集者などの制作関係者も含まれます。

(企画の段階で目を通してもらうときに、プロットを使うため)

つまりプロットの機能とは、制作する上での便宜を図ることにあるのです。

 

そう考えると「設計図」という例えがいかに芯を食ったものであるか、このことに気がつくでしょう。

 

 

ただし、心得ておかなければならないことがあります。

 

小説におけるプロットを本気で定義することは、そうかんたんではありません。

原因と結果を盛り込まなければならないとか、視点によって変わる因果関係を明確にするとか、実はちょっと面倒な決まりごともあります。

さらにいえば、日本と海外諸国で比べたときの定義も多少なりとも異なります。

 

要するにプロットを「設計図」と捉えるのは、あくまでもひとつの理解としてのみ。

その実態は複雑であり、本来一言で語れるようなものではないのです。

書き手として、このことは忘れないでおきましょう。

 

創作

Posted by 赤鬼