「一風変わった表現」を作る

2019年9月11日

 

 

エキセントリックな言葉の組み合わせは、読み手の関心を引きます。

今回は、一風変わった表現を作るための方法をご紹介します。

やり方はさまざまですが、なかでも今回は「普通に語られるはずの内容を独特に描く」というアプローチで考えていきます。

これは書き手の感性にかかわらず、ロジカルに成立させることができる方法です。

 

完成させるまでには、大きく分けて3つのステップが必要です。

 

 

異質な言葉を選ぶ

最初のステップは、異質な言葉を選ぶ作業です。

■ 「異質な言葉」の作り方

 

上の記事で完成した言葉をもとに考えてみましょう。

 

● 会いたい海辺

● 風が吹く人

● 彼女の音

● 食べたい秘密

● 青いパンケーキ

 

ここでのポイントは、物語との相性を考えることです。

 

相性が悪ければ、物語の流れとの整合性をとることが難しくなります。

ただし、相性が良すぎた場合も、流れに沿うだけの要素になってしまいますね。

これらのバランスをとるべく、選定するときは妥協せずに、とことん突き詰めましょう。

 

今回は例として、「食べたい秘密」を活用することにします。

 

言葉の意味を掘り下げる

次のステップは、言葉の意味を掘り下げる作業です。

 

ここでの目的は、選定した言葉をどのように組み込むかを考えることです。

選定した言葉に対して、いかに真剣に向き合えるかがポイントですね。

 

言葉そのものを分解して、意味や使い方を考えることはもちろん、違う方向へと意味を開いていくのも良いでしょう。

類語や近い表現、比喩や暗喩などを含めて、それぞれが結びつく点を探します。

 

● 「食べたい」

口に入れたい、飲みたい、欲しい

取り入れたい、栄養を吸って排したい など

 

● 「秘密」

内密、隠し事、プライバシー

浮気や不倫、恥ずかしい過去、コンプレックス など

 

ここであぶりだしたのは、それぞれ独立した「点」です。

点と点を「線」としてつなげて、骨格を決めていくのです。

 

ここでは、次のような筋をもとに構築するとしましょう。

 

● 「食べたい」

⇒ 栄養を吸って排したい

● 「秘密」

⇒ 恥ずかしい過去

 

これらの解釈を、強引にこじつけます。

 

「恥ずかしい過去は、水に流したいものだ」

「しかし今の自分を形成するものであることに変わりはない」

「プラスに働いたところだけをとって、ほかの部分は捨て去ってしまおう」

 

この段階で、多少の無理が出てしまうことは仕方ありません。

強引にこじつけた解釈が、後ほどその効果を発揮してきます。

 

 

つじつまを合わせてまとめる

最後のステップは、まとめる作業です。

言いかえれば、内容のつじつまを合わせていくのです。

 

前項でこじつけた内容を、もう一度見てみます。

 

「恥ずかしい過去は、水に流したいものだ」

「しかし今の自分を形成するものであることに変わりはない」

「プラスに働いたところだけをとって、ほかの部分は捨て去ってしまおう」

 

これだけ見ると、いたって普通の内容ですね。

独特なものとして描くには、もう少し工夫が必要です。

 

その工夫のひとつとして、最初に選んだ「異質な言葉」を活用することがポイントです。

次のような書き出しであれば、読み手はどのように感じるでしょうか。

 

『僕には、食べたい秘密がある』

 

読み手の頭には、疑問が浮かぶでしょう。

その疑問を解消すべく、物語を読み進めていくはずです。

 

書き手は、ステップをさかのぼるようにこれを明かしていきます。

 

● 「秘密」= 恥ずかしい過去

⇒ 誰にも知られたくないことを考え、描く。

 

● 「食べたい」= 栄養を吸って、排したい

ポジティブなものを栄養、ネガティブなものを排泄物として対比させる

 

これらを上手くまとめることができれば、ありきたりな内容にオリジナリティをもたらすことができます。

 

 

作るときのポイント

今回ご紹介した方法には、各所に重要なポイントがありました。

ひとつだけ強調するとしたら、2つめのステップでの強引な解釈です。

 

解釈の幅が広すぎると納得感が薄れてしまい、せますぎるとありきたりな内容になってしまいます。

もちろん、書き手からすれば「オリジナリティ」であっても、それが読み手に伝わらなければ意味がありません。

つまり、その尺度がとてもあいまいなのです。

 

書き手は、多少の強引さをもちながらも、整合性をとることが大切ですね。

読み手にどう伝わるかを意識しながら、解釈の幅のバランスをとっていきましょう。

 

 

■ 参考

 

 

創作

Posted by 赤鬼