小説執筆のための訓練
小説執筆のための練習方法はさまざまで、人によって合う・合わないも違ってきます。
これから作家を目指す人は、どの方法から手をつけたらいいのか迷ってしまうでしょう。
よく見聞きする訓練のひとつが、「読んで、書いてのくりかえし」ですね。
とにかく小説を読んで読んで、今度は自分で書いて書いて。
もちろん、この訓練は効果があるでしょう。
しかし、多大なコストを要するのは事実です。
小説を買うお金もそうですが、読む時間や書く時間もかかります。
今回ご紹介するのは、誰でも手軽に始められる方法です。
コストもほとんどかからず、効果は絶大です。
前置きが長くなったので、簡潔にご紹介しますね。
日記を書けばいいのです。
しかし小説執筆のための訓練ですから、思うがままに書いても意味がありません。
たとえば、次のような文章です。
久々に彼女とランチをした。
ハンバーグがおいしかった。
正直なところ、このような日記であれば書かないほうがマシですね。
この訓練のポイントは、他人の目を意識することです。
誇張したり、美化したり、なんなら嘘をついたってかまいません。
他人から読まれることを意識するのが重要で、これが小説に役立つスキルを育ててくれるのです。
久々に彼女とランチをした。
思えば、初デートで利用した大手チェーンのハンバーグレストランだ。
変わり映えのない盛り付けがなされたハンバーグ。
どこかの工場で大量生産されているソースの風味と、出来合いならではの統一された食感。
それら全ての要素が、付き合った当時の気持ちを思い起こさせた。
どうせ書くなら、このように書きましょう。
小説に使えるかどうかは別として、かんたんに実践できることは確かです。
やみくもに練習するとなると継続できない可能性が出てきますが、日記を書くくらいならなんとかなりそうですね。
たまに集中してやるよりも、よほど効果が見込めるでしょう。
忙しくて時間がとれないときは、印象的な場面を切り取るだけでもいいでしょう。
事細かに出来事を羅列するのではなく、自分が事象をどのように表現するかが大切なのです。
さらにこれを日常的に行うことで、作家としての「目」を養うことができます。
ぜひ、実践してみてください。
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