相手を重んじた取材にするために

今回は、取材をするときの心構えついてご紹介します。

媒体によってその内容に差はあるものの、原則は変わりません。

いかなる取材も、取材する対象がいてこそ成立します。

人はもちろん、企業や団体、建物や土地、体験や経験でも同じです。

書き手は、取材の対象に失礼がないように努めなければなりません。

人として相手をリスペクトする、というのは当たり前の話です。

考えるべきは、書き手として相手をリスペクトできるかどうかです。

そもそも、より良い文章を書くために取材をするわけです。

新聞記事でも、小説でも、ブログでも。

取材によって詳しい情報を得ることで、文章のクオリティを向上させることが本質にあります。

場合によっては、相手の良さを引き出したり、発信したいことを代弁することも、書き手の役目といえるでしょう。

これらを実現するためには、取材前の準備に注力することが重要になります。

取材の準備となると、カメラやボイスレコーダーのような物質的な要素が思い浮かぶかもしれません。

それよりも重要なのは、取材に挑む前の書き手が相手をどのくらい調べられるかです。

大前提となるこの部分がしっかりしていなければ、いくら高価な機材を使っても無駄になってしまうでしょう。

たとえば、町工場を取材するとします。

調査すべきポイントを、このようにリストアップしました。

① 会社の理念

② 工場の設備

③ 生産品およびその品質

④ 会社運営の内情

⑤ 従業員の様子 

①~③までの情報が、インターネットで公開されていたとします。

公開済みの情報であれば事前に調べられるため、あえて現場でそれを問う必要はありません。

調べている最中、書き手が疑問に思ったことがあれば、その詳細を聞き出す程度に留めておいたほうが良いでしょう。

そうなると、④と⑤に重きをおいて取材することになります。

事前に準備していなければ漫然とした時間を過ごすことになっていたかもしれませんが、この時点でもだいぶ的を絞ることができました。

問うべき内容はもちろんですが、アポイントメントを取る対象も限られてきますね。

相手に問いたい内容を伝えることもできるため、取材にかける時間を短縮できます。

もしもすでに得ていた情報を現場で聞くことになったとしても、それはマイナスな要素ではありません。

そこに新たな発見があれば、掘り下げてみるのも良いですね。

そうでなくとも、想定済みの回答として処理すれば問題ありません。

一覧表のように項目をあらかじめ書き出しておき、線を引いて消していくと良いでしょう。

取材は相手の時間を奪うことでもあるため、なるべく効率の良いやり方で行う必要があります。

「時間が足りずに、お互いが消化不良のまま終わった」という事態に陥ったのでは、目もあてられません。

そうならないためにも、事前準備には十分すぎるほどの時間をかけるべきなのです。

取材の対象について調べることは、書き手側の最低限のマナーだと捉えましょう。

お互いコストをかけたり、リスクを負いながら、取材を実現させています。

取材の事前準備において、「調べすぎ」ということはありません。

有意義な取材になるよう、これを念頭において臨みましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする