取材前に「仮説」を立てておく

あらかじめ、取材対象をしっかり調べる。

取材前の準備としては、大前提となる部分ですね。

● 相手を重んじた取材にするために

今回は、これを発展させます。

より良い情報を引き出すために、仮説を立てます

前回の記事に引き続き、町工場へ取材に良くとします。

取材内容のひとつである「従業員の様子」という項目に、仮説を立てましょう。

・昔ながらの職人の集まり

・作業着の油汚れが経験年数を物語っている

・真新しい作業着を着ていた場合は新人

・同じ目標に向かい、団結して仕事している

・繁忙期は深夜まで作業することもある

「従業員の様子」として、このような仮説を立てました。

インターネットに情報が載っておらず、関係者とのコネクションもない状況で立てた仮説ですから、これは単なる予想でしかありません。

しかしながら、こうした仮説が書き手の取材を助けるのです。

仮説を立てておくことで、注意点の洗いだしや、聞き出す内容の具体化ができます。

・長年努めた職人の集まり ⇒ 昔ながらの技術を駆使した作業風景は、写真に納めることにしよう

・作業着の油汚れが熟練度を物語っている ⇒ 経験をうまく掘りおこせば、面白い話を聞きだせるだろう

・真新しい作業着を着ていた場合は新人 ⇒ 若年層の価値観をどのように融合させているかを探ろう

・同じ目標に向かい、団結して仕事している ⇒ 社長の人柄か、社会貢献への思いか、はたまた待遇なのか、その原動力を探ろう

・繁忙期は深夜まで作業することもある ⇒ コンプライアンスとの兼ね合いを考え、この情報は慎重に扱おう

取材に対する心構えから、どの部分を掘り下げるかまで、検討することができます。

また、ここで挙げた内容には、構成の要素になり得るものもあります。

どの筋で書き進めれば、魅力的な内容になるか。

内容のエッセンスとして使えるものがあるかどうか。

あらかじめ考えておくことで、その内容をピンポイントで取材できるのです。

ここで紹介しているのは、予想を当てるための仮説ではありません。

良い文章を書くための仮説です。

取材をスムーズに行い、内容を濃くすることが目的なのです。

目的を達成するためにも、ひとつの仮説に固執せず、複数の仮説を立てておきましょう。

日数の関係等で、多くの仮説を立てられない場合のほうが多いかもしれませんが、現実的に可能な範囲で良いのです。

いくつかの仮説を立てて、さまざまな可能性を想定することこそが重要なのです。

取材前にこれを行うことで、より深いところにまで考えを及ばせることができます。

少しも予想しないまま出向くとしたら、薄い情報しか得られないでしょう。

これはそのまま、文章のクオリティに繋がります。

取材を検討している書き手は、ぜひ今から実践してみましょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする