相応の「障害」を設定する
自分自身が強く願っていることは、できればすぐにでも叶えたいものですね。
「モテたい」
「お金持ちになりたい」
「作家デビューしたい」
誰であっても何かしらの大きな願望を抱きます。
そして、なるべく早く実現することを望むはずです。
しかし、そのような大きな願望を小説で描くとなると、話は別です。
登場人物に大きな「願望」を抱かせるのであれば、それをすぐに実現させるべきではありません。
もしも『ワンピース』のルフィが、三話目くらいで海賊王になっていたらどうでしょう。
これまでの冒険はなかったことになり、仲間との出会いも、自身の成長も、読み手を感動させるエピソードも失われてしまいます。
そうなれば、また違った筋道で物語を展開させなければなりませんね。
早い段階で実現させてしまうと、大きな願望に期待できる効果は薄くなるどころか、構成上あまり意味のないものになってしまいます。
さまざまな障害があり、叶えるのが難しい願望(野望)であるからこそ、大きな規模感をもった物語が成立するのです。
つまり、登場人物の願望が大きければ大きいほど、それに応じた障害を設けるべきなのです。
登場人物が抱いた大きな願望は、読み手との間で共有することができます。
物語がどんどん流れていくなかで、読み手は登場人物と同じ方向に目を向けながら読み進めるのです。
もしもキャラクターに対する愛着が読み手にあれば、「絶対にその願いを叶えてほしい」といったように、まるで自分の願望のように思えてくることもあるでしょう。
だからこそ、大きな障害を設定したほうが盛り上がるわけですね。
実現が困難であればあるほど、それが達成されたときのカタルシスは読み手を満足させる要因となります。
物語をおもしろくするためには、願望だけにフォーカスしてはいけません。
相応の障害を設定し、劇的なドラマを演出していきましょう。
■ 参考
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