場面との「調和」をとる
今回は、場面との調和について考えてみましょう。
書き手は、場面に質感をもたらすことがありますね。
「幽霊が出てくる怖いシーンを書きたい」とか、「愛の告白をするシーンを書きたい」とか。
場面の調和をとるように描くと、書き手は「狙いどおりの場面」を構築することができるようになります。
例として、「幽霊が出てくる怖いシーン」を描くとしましょう。
書き手はどのような要素を盛り込んで、この状況を作りだすことができるのでしょうか。
● 暗い森の中にいる
● 生暖かい風が吹いている
● 木々の葉がこすれる音が耳に刺さる
● 湿った空気が充満している
● カラスが鳴きながら飛び立つ
おおよそ、このような要素ではないでしょうか。
ここでは「気味の悪さ」や「おどろおどろしい雰囲気」を演出しようとしました。
要素を選ぶときの条件は、描きたい場面との「調和」がとれることです。
場面と調和がとれる(と思われる)要素を、適切に盛り込むこと。
狙いどおりの場面を描くには、この作業が必須です。
さらには、細部をもって描くことが重要なポイントになります。
たとえば「恐ろしい森に……」といったように、書き手が限定してしまえばこの雰囲気はでません。
焦らずに、少しずつ積み重ねることで、場面の質感が決まってくるのです。
手順の参考として、書き手は「時間」や「場所」に注目すべきです。
おおまかな設定から詰めていくと、構築しやすくなるでしょう。
細かいところでの調和は、「匂い」や「音」など、身体感覚からわかる要素が有効ですね。
もちろん、登場人物の心情や
なにを選んでどのように描くかは、書き手の自由です。
「愛を告白するシーン」を書くとしたら、どうにかロマンチックな状況を作りだすでしょう。
⇒ 放課後の教室、花火大会の帰り道、卒業式が終わった後、など
「時限爆弾を解除するシーン」であれば、緊迫感のある状況を演出するよう描くはずです。
⇒ 時計の電子音、手元の震え、滴り落ちる汗、など
ただし、場面にもたらすべき指向性から外れないように注意しましょう。
場面の質感を読み手に伝えたいのなら、全体の調和がとられていなければなりません。
調和がとれる要素を適切に盛り込みながら、場面を構築しましょう。
■ 参考
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