【修飾語・被修飾語】かかり受けの関係を意識する【句読点でコントロール】
かんたんな語句を選んで、その使い方も正しいのに、読みづらい文章になってしまう。
「かかり受け」の概念がない文章には、よくあることです。
読みやすい文章は、かかり受けが徹底されています。
書き手はこの概念を理解して、使いこなす必要があります。
「かかり受け」とは
一言で表すのなら、語句の修飾関係のことです。
文章の間には「修飾する語句」「修飾される語句」があります。
この関係をどう扱うかによって、文の読みやすさが変わるのです。
たとえば『美しい水車小屋の女』で考えてみましょう。
これを構成する語句は、「美しい」「水車小屋」「女」ですね。
このときの「美しい」は修飾する語句であり、「水車小屋」と「女」が修飾される語句になります。
どちらの語句が「美しい」を受けるかによって、読みやすさだけでなく、意味が変わります。
「美しい水車小屋」
「美しい女」
これでは意味の誤解を招いてしまいますね。
書き手はかかり受けの関係を理解した上で、語句の配置をコントロールしなければならないのです。
修飾語と被修飾語の距離がポイント
修飾する語句は「修飾語」、修飾される語句は「被修飾語」と呼ばれます。
この修飾語と被修飾語の距離は近いほうが良いとされています。
語句の距離を近づければ、かかり受けの関係を強く結びつけることができるのです。
かかり受けの関係は長い文章ほど複雑になるため、書き手は注意しなければなりません。
例
日本でしか生活したことのない僕は、フィリピンに旅行したとき、ストリートチルドレンに囲まれたことがあり、彼らは僕に血眼になって花を売ろうとしていて、この地区の子どもは旅行者を囲むと同時にスリを行うと聞いたことがあるため、大きなストレスを感じたのだった。
かかり受けを無視した状態で長い文章を書くと、例にあるとおり読みづらくなってしまいます。
そのため、なるべくシンプルに書くことが求められます。
句読点で修飾関係をコントロールする
まずは修飾語と被修飾語の関係を整理しましょう。
例
日本でしか生活したことのない僕は、フィリピンに旅行したとき、ストリートチルドレンに囲まれたことがあり、彼らは僕に血眼になって花を売ろうとしていて、この地区の子どもは旅行者を囲むと同時にスリを行うと聞いたことがあるため、大きなストレスを感じたのだった。
修飾関係の強いものは近づけ、そうでないものは分けて書き直しましょう。
例
フィリピンに旅行したとき、ストリートチルドレンに囲まれたことがあった。
彼らは血眼になり、僕に花を売ろうとしてきた。
この地区の子どもは、旅行者を囲むと同時にスリを行うと聞いたことがある。
日本でしか生活したことのない僕は、彼らに大きなストレスを感じたのだった。
修飾語と被修飾語の関係性をみながら、文章を再構築しました。
語句を並べかえ、良きところで句読点を打ち、修飾関係をコントロールしたのです。
「かかり受け」という概念を理解していなければ、このように書き直すことはできません。
かかり受けを意識して、句読点を駆使しながら読みやすい文章を書きましょう。
■ 参考
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