【概念を理解】「意味の含有率」を考えながら書く【文章量をコントロール】

 

文章には「意味の含有率」という概念があります。

あなたが書いた文章には、どの程度の意味が込められているでしょうか。

正確な数値として「○○パーセント」と表すことができなくてもかまいません。

文章に込めた意味を読み取って、「薄い」「濃い」など、感覚的に理解することが重要です。

書き手は、意味の含有率をコントロールできるようになりましょう。

 

 

含有率とは

例をみながら考えていきます。

 

もう少し進むと交差点に入ります。右車線に入るためにウインカーを点け、右折車線に進路を変更します。信号が青であれば、交差点の中央付近まで侵入した後、一旦停止してください。対向車に注意しながら、右方向に曲がりましょう。

 

文章が意味しているのは、右折です。

これほど単純な内容であれば、次のように表現することもできるはずです。

 

次の交差点で右折してください。

 

文字数は減ったものの、文意そのものを伝えることはできました。

つまり先の例に比べると、意味の含有率が高くなったといえます。

 

 

無駄なことを書けない文書に

誰かに読まれる文章を書く場合、好きなことを好きなだけ書いてはいられません。

現実的に考えると、文字数には限りがあるのです。

 

ビジネス文書をはじめとする「実用文」が、代表的な例です。

実用文の場合、無駄な部分を省くためにも、意味の含有率が重要なポイントになります。

これを意識しなければ散漫とした文章(文書)になり、実用文としての機能を十分に果たせなくなります。

無駄なことを書いていられない文章では、意味の含有率を高めることに注力していきましょう。

 

 

概念を理解して使いこなす

ただし「創作」の場合は、必ずしもそうではありません。

不用意に物事を言語にすると、単に「類型化されたもの」として読み手に伝わってしまうことがあります。

さらには、物語を編むときには “だれ場” と呼ばれる「展開を停滞させる手法」を用いることもあります。

意図して断定しなかったり、進行を遅らせたりする場合があるため、意味の含有率は高ければいいというものではないのです。

 

書き手は例外も踏まえた上で、概念を理解することが大事です。

どこをすくいあげて、どの部分を切り取って、どのように接合させるかで、文章はダイナミックに変化します。

単語の選び方や言葉の使い方、語句の並べ方によっても、意味の含有量は変わります。

原稿用紙5枚程度で伝える内容を、1枚に集約することも、100枚に拡大させることもできるのです。

文章の種類や、読み手への伝わり方を考えながら、意味の含有量をコントロールしましょう。

 

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Posted by 赤鬼