不要な名詞句を書かない

2017年8月20日

 

文章において欠かすことのできない存在のひとつが、名詞句です。

これは、文法上の立ち位置に限ったことではありません。

動詞を名詞化する作用をもつので、書き手にとってもありがたいテクニックでもあります。

ただし、不要なものまで名詞句にしてしまう事態は、避けなければいけません。

 

 

例文

① 5kg痩せることを目標にしている。

② 5kgの減量を目標にしている。

 

 

どちらの例文も正しい文章で、ほとんど同じことを意味しています。

しかし読んでわかるとおり、言い回しに違いが見られますね。

 

①では「動詞+こと」で、「痩せること」という名詞句をもちいています。

一方で、②の場合はシンプルに「減量」という名詞をもちいています。

 

わかりやすい文章を書くためには、この違いを理解した上で使い分ける必要があります。

それができなければ、次のような文章を書いてしまうかもしれません。

 

 

原文
責任を逃れようとすることは、自身の成長をさまたげることにつながる。

 

「動詞+こと」という名詞句が、一文のなかで2回使われています。

意味の重複が起きていないのでミスであると断言はできませんが、用法が重複していることは事実です。

同じような語感が連続すると、読み手に単調な印象を与えてしまいますね。

改善しましょう。

 

 

改善文

A. 責任逃れは、自身の成長をさまたげることにつながる。

B. 責任を逃れようとすることは、自身の成長をさまたげてしまう恐れがある。

 

 

AとBを見てみると、どちらも名詞句の使用は1回のみです。

その代わりに「責任逃れ」や「恐れがある」と表現することで、原文にあった単調さをなくすことができているのです。

 

なにより不要な名詞句を書かないことで、構造がシンプルになりました。

原文と比べて、どちらが良い文章かは明白ですね。

 

 

名詞句そのものが、悪い表現だということではありません。

要するに、使い方の問題です。

これを考えなしに使いすぎてしまうと、わかりづらい文章になってしまいます。

不要だと思う名詞句があれば、他の表現に変えることを選択肢にいれましょう。

 

 

 

Posted by 赤鬼