文章に「リーダー」と「フォロワー」を割り当てる【文がもつ意味】【担う役割】

 

今回は、文に割り当てられた役割について考えてみましょう。

文章を細かく分析すると、それぞれの文が「なにかしらの役割」を担っていることがわかります。

おおまかにいえば「リーダー役」「フォロワー役」です。

読みやすい文章にするために、書き手はこの2つの役割を意識しましょう。

 

 

「リーダー」としての文

ここで扱うのは、ライティング知識で使われている「リード文(導入文)」ではありません。

文章を先導し、その後に続く内容を引っ張っていく役割を担っています。

たとえば、次のような文章です。

 

白状します。

”文芸誌”を買う習慣が僕にはありません。

まったく買わないわけではないものの、「まぁいいや」とやり過ごすことが多いのです。

 

先頭にある「白状します」が、この文章のリーダーです。

この場合は読み手の興味を引くために「印象の強い言葉」を先頭に配置しました。

ほかにも「内容を象徴する言葉」で要約したり、「前フリ」として活用したりなど、アプローチはさまざまです。

「その後につながる内容を提示する」という意味では共通していますね。

 

 

「フォロワー」としての文

次は、リーダーに “続く”役割を担っている文を考えましょう。

リーダーが先陣を切って示した内容を、説明したり、補足したり、証明したりします。

 

白状します。

”文芸誌”を買う習慣が僕にはありません。

まったく買わないわけではないものの、「まぁいいや」とやり過ごすことが多いのです。

 

この場合は「説明」にあたりますね。

フォロワーとしての役割を担う文章は、「本文のメイン」となる部分です。

いわゆる「文章の書き方」や「執筆のノウハウ」は、主にこの部分に注ぐことになるでしょう。

 

 

すべての文が意味をもつ

リーダー役を担う文がなければ、読み手は手探りで読み進めることになります。

もちろんフォロワー役の文章も成り立たず、内容が散漫になってしまうでしょう。

これが数百~千文字程度の文章であれば、読み手は我慢しつつ目を通してくれるかもしれません。

数千~万単位の文字数に及ぶと、読む気が失せてしまいますね。

 

俗にいう「読みやすい文章」に、役割が定まっていない文はありません。

章の末端の一文ですら、なにかしらの意味を込めて書かれているはずです。

文章に「リーダー役」と「フォロワー役」を割り当てれば、すべての文が意味をもつことになります。

細部に宿る意味を詰めていくためにも、この概念を基本として、読みやすい文章を書いていきましょう。

 

■ 参考

Posted by 赤鬼