動機をもとに文章を構築する【仕上がり・見出し・構成の設定】
文章を書く「動機」は、内容全体に影響を及ぼします。
これについて書き手は、文章を「書き出す前」の段階で考えなければなりません。
動機は、文章の完成度はもちろん、構成や見出しを考えるときにも大きな存在感を放つからです。
以降で具体的に見ていきましょう。
文章に求める「仕上がり」を設定できる
たとえば下記のような動機があったとしましょう。
例
● 知らずに困っている人がいるから
● 誰かの人生を豊かにする情報だから
● 世の中のためになると信じているから
● 後世に残しておく価値がある内容だから
● 自分だけでは到底抱えきれないことだから
文章を書くにあたって書き手が抱いた動機は、それぞれの文章がもつ「目的」といいかえることができます。
仮に「知らずに困っている人がいるから書きたい」のであれば、この動機にそった文章を書くことで目的の達成につながります。
つまり動機を明確にすることは、文章に求める「仕上がり」を設定することにもなるのです。
これは動機があいまいであれば見えてこなかったものであり、仕上がりを設定することは文章を書く上で重要だといえます。
情報収集の質が向上する
仕上がりを設定すれば、書き手のやるべきことが定まってきます。
それは文章を書く前、「情報収集」の段階からも強く影響してきます。
「どこでなにを取材すればいいか」
「どのような資料を集めればいいか」
「事前に集めた情報に過不足はないか」
このとき判断基準となるのは、文章を書く動機です。
書き手は、動機を満たす(目的を達成する)ために必要な資料を集めたり、取材に出かけたり、内容を精査したりするでしょう。
動機を主軸に考えることで、おのずと情報収集の質が向上するのです。
良質な情報が手元にあれば、文章の全体像を把握しやすくなり、構成を考えるときにも便利です。
「文章の方向性」が定まる
動機を意識することで、文章の仕上がりを見据え、必要な情報を収集することができました。
これをより具体的な作業に落とし込んでみましょう。
動機が明確であれば、「書くべき内容」を絞り込むことができます。
たとえば「誰かの人生を豊かにする情報を書きたい」としたら、読み手の人生が豊かになるような文章でなければなりません。
単純に考えれば「読み手にとって有益な情報」を主な内容として書くはずです。
「本筋と関係のない内容」は省きながら、見出しを考えていくでしょう。
ときには「真逆の情報」や「デメリット」を提示する場合も考えられますが、それは構造的に対比させるために意図をもって仕組むものです。
このことを含めて、「書くべき内容」は動機を意識することで絞り込まれていくのです。
つまり動機に従うことで、「文章の方向性」が定まるのです。
文章に「動機」を通低させれば、全体の構成や見出しの項目、仕上がりまでも想定できます。
極端にいえば、文章の内容は「書き出す前の段階」からほとんど定まっているといえます。
進むべき道をそれることのないよう、書き出す前から自分自身と向き合い、動機を明確にしましょう。
■ 参考
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