表現の経済性を意識する【コンテンツとしての豊かさ】
今回は経済的な視点から文章の書き方考えていきます。
キーワードは「経済性」です。
経済性とは「費用に対して得られる収益の度合い」を指します。
この考え方を執筆に落とし込んでいきましょう。
表現の経済性とは
まずは「費用に対して得られる収益の度合い」を執筆におきかえてみます。
「費用」とは、文字数。
「収益」とは、伝えるべき内容。
「度合い」とは、文字数に対する伝えるべき内容の割合と考えましょう。
表現の経済性を向上させるためには、節約しながら書く必要があります。
つまり無駄な情報を書かずに、伝えたい内容の割合を増やすわけです。
本筋と関係のない情報や、すでに読み手が知っているであろう情報を排除することで、表現の経済性は向上します。
逆に無駄な情報が多い文章は、表現の経済性が低下するといえます。
文章として書かれた文字数に対して、伝えたい情報の割合が少なくなるわけです。
このような文章は当然ながら、読み手に負担かけることになるでしょう。
効率やコスパがすべてではない
読み手に気を使うのであれば、無駄な情報を書かないのは当然のことです。
ただし、経済性の向上を目指す姿勢が、かならずしも正義であるとは限りません。
節約にこだわるのであれば、住むところは賃料の安いアパートで十分ですし、移動手段は徒歩もしくは自転車が妥当でしょう。
外食などするべきではないし、髪型やファッションにお金をかける必要もありません。
自ら望んで質素に暮らしている人の価値観を否定するつもりはありませんが、実際は多くの人が「豊かさ」を求めています。
一見無駄に見える出費が日々の活力になっていたり、人生の満足感につながったりするわけですから、その価値観もまた否定することはできないのです。
文章も同様で、効率やコスパだけがすべてではありません。
必要最低限のことしか書かれていない文章は、質素なものとなるでしょう。
他人に読ませる文章であれば、コンテンツとして豊かにすることも重要なのです。
読まれる文章は「豊かさ」がある
たとえば「ブログで月30万円稼ぐ方法」という記事を書くとします。
表現の経済性を向上させるなら、マネタイズの手順やコツを箇条書きにでもしながら書けば十分でしょう。
なぜならそれが書き手が伝えたい内容の本筋であり、読み手も知りたい情報だからです。
しかしその書き方が文章表現として健全とはいえません。
わかりやすい言葉で書いたり、読みやすく整えたりする工夫がなければ、その文章は目を通してもらえないでしょう。
たとえ読んでもらったとしても、かえって読み手に負担をかけてしまう恐れもあります。
読まれることを想定した文章であれば、適度な「豊かさ」が必要です。
もちろん、情報が過剰になれば無駄な情報が出てくるでしょうし、不足があれば読みづらくなります。
一見すると無駄に思える情報であっても、「本筋を支えるためのもの」であれば表現の経済性を低下させることなく表現できます。
書き手が経済性を意識して調整しながら書くことで、文章はコンテンツとして豊かになっていくのです。
全体の構成はもちろん、言葉や句読点といった細部にも、「表現の経済性」を意識していきましょう。
■ 参考
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