『寸鉄人を刺す』の考え方【短く書く】【しっかり伝える】
今回は「ことわざ」から文章の書き方を学びましょう。
扱うことわざは『寸鉄人を刺す』です。
ここにはすべての文章に共通する重要な考え方が込められています。
ことわざの意味はもちろん、実際の執筆に役立つようにイメージしながら考えていきましょう。
短い文章で核心を突く
『寸鉄人を刺す』をそのまま読みとると、「短い刃物で人を刺す」となります。
「寸鉄」という武器を使って人の急所を突くことで、致命傷を負わせることができることを表しています。
しかしこれは”ことわざ”ですから、字面どおりの意味ではありません。
上記の意味が転じて、「短い文章で核心を突くこと」を指しています。
書き手が「りんごは赤い」と伝えたかったとしましょう。
たった6文字で伝わるところを、わざわざ何万文字もの文章にする必要はありませんね。
『寸鉄人を刺す』ように書くことで、できるだけ短い文章で伝えるようとするはずです。
したがってこの言葉は、文章を書くときの基本的な考え方として最適なことわざといえます。
考え方が活用された文章
『寸鉄人を刺す』が発揮される例について考えてみます。
もっともわかりやすいのは「キャッチコピー」です。
目に入った広告のキャッチコピーに胸を打たれたことはないでしょうか。
シンプルな言葉でその様相を表現したり、読んだ人を感動させたりと、まさに『寸鉄人を刺す』ように書かれています。
まとまった文章で考えると、「新聞」や「雑誌」への寄稿、「Twitter」の投稿なども良い例です。
紙媒体はいわずもがな、Twitterもまた文字数に制限があります。
限られた文字数で濃密な内容を書くには、慎重に言葉を選ばなければなりません。
もちろんその内容についても厳しく精査する必要があります。
「短編小説」や「ショート小説」を書く場合にも、同じ考え方を転用できます。
いくら自由度の高い「創作」であっても、その作品を長編としないのであれば文字数にゆとりがあるとはいえません。
上記の例と同じように、文字数や行数に対するシビアな姿勢を求められるのです。
このように、『寸鉄人を刺す』の考え方を活用する機会は多々あります。
書き手であれば、肝に銘じておかなければならないことわざといえるでしょう。
「短く書くこと」を心がける
書き手がなにかを伝えるとき、文字数の制限がない状態で書けるのであれば楽でしょう。
内容をいかにコンパクトにするかについて考えなければならないのです。
書き手からすれば、かんたんなことではありません。
いいかえれば、表現の経済性を考えることでもあります。
ダラダラと長いだけの文章は、読み手からすれば苦痛でしかありません。
中身のない長文を書くことも、読み手を退屈させる状況も、書き手は望んでいないはずです。
前項の例に挙げた「文字数の制限」についても、書き手がこれを「デメリット」と考えてしまうのはナンセンスです。
長い文章で多くを伝えるのではなく、短い文章で核心を突くことを心がけるべきです。
そのためにも、執筆するときには『寸鉄人を刺す』を基本的な考え方とすることが重要です。
散漫な書き方にならないよう、このことわざを頭の片隅におきながら執筆しましょう。
■ 参考
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