【終わりの型】「心情型」で文章を終わらせる

 

文章の終わらせ方について考えていきます。

今回はご紹介するのは「心情型」と呼ばれるものです。

文字どおり、文章の終わりで「書き手の心情」を開示する型です。

書き手にとっては扱いが難しい部分もあるため、ていねいに見ていきましょう。

 

 

心情型とは

まずは例文を見てみましょう。

 

① たまねぎが冷え性の改善に効くらしい

② 三ヶ月間、毎日食べてみた

③ 冷えが緩和され、目覚めも良くなった

④ 効果はあったが、たまねぎの味に飽きてしまった

 

心情型で終わる文章の一例です。

最後に書き手の心情を書くことで、いわゆる「オチ」をつけていますね。

この型のもっとも大きな特徴は、読み手に「訴えかける力」があることです。

書き手の心情をもって文章を締めることで、強いインパクトを与えることが期待できます。

 

 

心で思ったことを書く

文章でなにかを伝えるときは、なんらかの「答え」や「見解」を論理的に導き出したくなります。

その場合、心情型で書くことは避けたほうが良いでしょう。

心情型を使って文章を締めるときは、「頭で考えた内容」を書くべきではありません。

書き手自身が「心で思ったこと」を書くべきです。

 

わかりやすい例は「Twitterでのツイート(つぶやき)」です。

ツイートされている内容を見ると、心情型で書かれているものが多く見られます。

少ない文字数で現在の状況を説明したり、特定の物事について論理を展開したりといった内容が、常に楽しく読まれるとは限りません。

Twitterのように「心で思ったこと」を素直に書いたほうが良い文章もあるため、その場合は心情型で締めたほうが読み手は満足するでしょう。

 

 

書き手自身の価値

心情型の性質上、文章の内容が「自己完結」で終わることになります。

そのため独りよがりな文章になりやすく、読み手の支持を得ることが難しいのです。

悪く捉えるなら、「それで?」「どうしたの?」といった冷笑的な反応も招きやすい型なのです。

これについては、心情型のデメリットといえるでしょう。

 

「論理に頼らない文章を書く」となれば、書き手はどこに価値を見出すかを考えなければなりません。

結論をいえば、「書き手自身に価値があること」が大前提となります。

前項に例として挙げた「Twitterでのツイート(つぶやき)」は、まさにこのことを標榜していますね。

数多くのフォロワーを抱えるユーザーであれば、「腹が減った」とつぶやいただけでもたくさんの”いいね”や”リツイート”が得られるからです。

 

心情型を成立させるには、書き手の心情、つまり「心で思ったこと」に興味をもたれることが条件といえます。

そのためにもまずは「書き手自身の価値」を冷静に判断することが重要ですね。

もしも価値が認められないと判断できた場合には、別の終わり方を選択することも考えるべきです。

うかつに心情を示すと読み流される恐れもあるため、文章を心情型で締めるときは慎重になりましょう。

 

■ 参考

Posted by 赤鬼