【応用編】文を区切るための読点

 

こちらの記事では、文と文をつなぐときに使う読点とご紹介しました。

とてもスタンダードな用法のひとつですが、あなどってはいけません。

 

わかりやすい例としては、「読点を打つタイミング」に迷ってしまう場合です。

そのような悩みをもつ書き手は、この用法の意義を理解していない可能性があります。

 

具体的な事例をもって、考えていきましょう。

 

 

例文
昨日は晴れていたが、今日は土砂降りだ。

 

文の構造は、次のようになっています。

 

① 昨日は晴れていた

② が、

③ 今日は土砂降りだ

 

②の読点が担っている役割を考えて見ましょう。

例文を見ると、この読点は前提条件となる①の内容に打たれていますね。

このように使うことで、③の結果につなぐための接着剤として機能しながら、前後の意味を明確に区別しているのです。

 

もう一例見てみましょう。

 

 

例文
焼肉屋に近づくと、食欲をそそる香りがただよってきた。

 

この読点は、原因となる内容のあとに打たれています。

 

① 焼肉屋に近づく(原因)

② と、

③ 食欲をそそる香りがただよってきた(結果)

 

原因の①、結果の③をしっかり区別しながら、③の結果へとつないでいますね。

 

さらに、もう一例みてみましょう。

 

 

例文
1日10時間勉強したので、志望校に合格できた。

 

この読点は、理由となる内容のあとに打たれています。

 

① 1日10時間勉強した(理由)

② ので、

③ 志望校に合格できた(結果)

 

もちろん、この読点も同様の役割を担っています。

いずれの場合も、前提となる文に読点を打って、区別して、つないでいることがわかりました。

これこそが、文を区切るための読点の本質です。

 

感覚的に読点を打っていれば、適切なタイミングをつかめなくなって当然です。

読点の用法における役割や本質、その意義を考えることで、打つべき箇所はおのずと決まってくるのです。

 

 

読点の打ち方について悩んでいる書き手は、「文を区切るための読点」の使い方から学びましょう。

この用法の本質を理解して使いこなす、つまり応用することで、無駄な読点を打つことはなくなります。

より読みやすい文章を書けるようになるのです。

 

 

 

Posted by 赤鬼