【応用編】主語を明確にするための読点

 

こちらの記事にある内容を、さらに発展させましょう。

主語を明確にするための読点は、もっとも基本的な用法のひとつです。

しかし、甘くみてはいけません。

使い方しだいでは、文章を進化させることができるのです。

 

例をみながら考えていきましょう。

 

 

原文
手紙が届きました。

 

この文の主語となるのは「手紙」ですね。

これを明確にするべき、試しに読点をつけてみましょう。

 

 

例文
手紙が、届きました。

 

文章そのものが短いため、たどたどしい印象を受けますね。

「手紙が届きました」というフレーズには、複雑な修飾関係もなく、読み手が誤読するような要素もありません。

不要だ、とまでは言いませんが、この読点が効果的ではないことは確かです。

 

しかし、ここで投げ出してはいけません。

少し工夫するだけで、この読点がまるで魔法のような効果を生み出します。

 

 

改善文
手紙、届きました。

 

読んでみると、どこか趣きのある文ですね。

キャッチコピーやスローガンのような響きを感じます。

それもそのはず、この用法は、コピーライティングにおいてよく使われる手法です。

 

改善に至るまでに何が行われたかというと、格助詞を省略しただけです。

「手紙が届きました」 ⇒ 「手紙、届きました」

 

格助詞を省略するとき、その代わりとして読点を用いたのです。

もちろん、「手紙」という主語を明確にする役割も果たしています。

 

もともとは、何の変哲もない一文でした。

この読点のファインプレーがあったからこそ、表現力豊かな文章に進化することができたのです。

 

主語を明確にするための読点だからといって、使い方は「は」や「が」のあとに打つことだけではありません。

格助詞の代わりとする用法も、一緒に覚えておきましょう。

Posted by 赤鬼