かぎ括弧の使い方
かぎ括弧は、短い引用を用いるときに使われるのが一般的です。
この考え方を基本として、どのような場面でかぎ括弧が活躍するのかを見ていきましょう。
● セリフをくくる
「帰りにプリンを買ってきて」と姉に頼まれた。
誰かが言ったことをくくって、文中に引用します。
もっともシンプルな使い方ですね。
● 考えをくくる
「一体、何をやっているのだろう」と思った。
自分の考えや、心の中で思ったことをくくります。
格言や名言を引用するときにも有効ですね。
● 強調したい言葉をくくる
彼はその体験で、「悟り」を得たようだ。
強調したい言葉をかぎ括弧で閉じることで、他の文言との差別化をはかります。
引用とは毛色が違っていますが、単語や文字を閉じることができるので便利です。
どの使い方にも共通している注意点は、句点の使い方です。
句点は、文末のみに打つのが大原則ですね。
そして、かぎ括弧でくくられた文では、句点を省略するのがルールです。
○ 「おまえはよく頑張った。」と褒められた。
× 「おまえはよく頑張った」と褒められた。
このルールは、かぎ括弧を表記するときの基本です。
句点を打つのは文末に限り、かぎ括弧で閉じられている文中には打たないようにしましょう。
最後に、惑わせてしまうような内容を書きます。
実は、ほとんどの場合で、かぎ括弧がなくても文は成立します。
● 帰りにプリンを買ってくるように、姉から頼まれた。
● 一体、何をやっているのだろうと思った。
● 彼はその体験で、悟りを得たようだ。
● おまえはよく頑張った、と褒められた。
もちろん、小説で使われるセリフなど、特殊なケースは除きます。
かぎ括弧がなくても表現できるということは、使う・使わないの判断が書き手にゆだねられていると言いかえることもできます。
ご紹介したように、かぎ括弧は文章にさまざまな場面で活躍します。
セリフのような短い引用を示したり、内に秘めた心境を表したり、言葉を強調したりといったことですね。
まずは、どの内容をかぎ括弧表記にすべきかを見定めることが重要です。
読みやすい文章にするべく、適切に判断しながら執筆しましょう。
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