並べ替えによる伝わり方の変化

2017年7月17日

 

文の並べ替えは、より伝わる文章にするために有効な手段のひとつです。

たとえ書いてある内容は同じでも、その順番しだいでは文章の伝わり方が変わってきます。

例文をみながら考えていきましょう。

 

 

例文1

私はりんごが大好きです。

酸味と甘味のバランスが絶妙です。

皮ごと丸かじりするのが、お気に入りの食べ方です。

食べごたえがあるので、満足できます。

 

りんごが好きな理由として、もっとも優先度が高いのは味でしょう。

それに加え、丸かじりすると満足感が増すのもポイントのようですね。

 

次に、並べ替えた文を見てみましょう。

 

 

例文2

私はりんごが大好きです。

皮ごと丸かじりするのがお気に入りの食べ方です。

食べごたえがあるので、満足できます。

酸味と甘味のバランスも絶妙です。

 

こちらの場合、味の優先度はそれほど高くない印象を受けます。

かわりに全面に出ているのは、腹持ちの良さと満足感に対して魅力を感じていることです。

 

 

このように、順番を並べ替えるだけで文章の伝わり方が変わります。

「味」を重視しているなら例文1、「食べごたえ」を重視しているなら例文2と、読み手は感じ取るでしょう。

 

ここでは、例文1と例文2の優劣を問題にしたいわけではありません。

並べ替えるとき、伝えたい内容を再確認しているかどうかがポイントです。

 

 

書き手は、すでに文を書いた文を並び替えるとき「伝えたいことは書ききっている」と錯覚してしまいます。

違った伝わり方をする順番になっていても、それに気づくことができません。

これが、内容が伝わらない文章になる主な原因です。

 

 

文の順番を並び替えるときには、伝えたいことを再確認することが先決です。

この部分を固めれば、読み手に誤解や混乱を与える文章にはならないはずです。

そして伝わり方の変化を意識しながら、内容がしっかり伝わる順番に並び替えましょう。

 

 

 

Posted by 赤鬼