並べ替えによる伝わり方の変化
文の並べ替えは、より伝わる文章にするために有効な手段のひとつです。
たとえ書いてある内容は同じでも、その順番しだいでは文章の伝わり方が変わってきます。
例文をみながら考えていきましょう。
私はりんごが大好きです。
酸味と甘味のバランスが絶妙です。
皮ごと丸かじりするのが、お気に入りの食べ方です。
食べごたえがあるので、満足できます。
りんごが好きな理由として、もっとも優先度が高いのは味でしょう。
それに加え、丸かじりすると満足感が増すのもポイントのようですね。
次に、並べ替えた文を見てみましょう。
私はりんごが大好きです。
皮ごと丸かじりするのがお気に入りの食べ方です。
食べごたえがあるので、満足できます。
酸味と甘味のバランスも絶妙です。
こちらの場合、味の優先度はそれほど高くない印象を受けます。
かわりに全面に出ているのは、腹持ちの良さと満足感に対して魅力を感じていることです。
このように、順番を並べ替えるだけで文章の伝わり方が変わります。
「味」を重視しているなら例文1、「食べごたえ」を重視しているなら例文2と、読み手は感じ取るでしょう。
ここでは、例文1と例文2の優劣を問題にしたいわけではありません。
並べ替えるとき、伝えたい内容を再確認しているかどうかがポイントです。
書き手は、すでに文を書いた文を並び替えるとき「伝えたいことは書ききっている」と錯覚してしまいます。
違った伝わり方をする順番になっていても、それに気づくことができません。
これが、内容が伝わらない文章になる主な原因です。
文の順番を並び替えるときには、伝えたいことを再確認することが先決です。
この部分を固めれば、読み手に誤解や混乱を与える文章にはならないはずです。
そして伝わり方の変化を意識しながら、内容がしっかり伝わる順番に並び替えましょう。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません