主語と述語を対応させる

 

重文や複文では、主語が2つになることがあります。

この時点では特に問題ありませんが、述語が1つになる場合には注意が必要です。

主語と述語を対応させなければ、不可解な文章になってしまいます。

 

 

原文
 私は、このコーヒーは苦すぎる

 

さて、この文を紐解きましょう。

「コーヒー」と「苦すぎる」は、主語と述語の関係が成り立っています。

 

しかし「私は」に対応する述語はありません。

結果として、意味が通じない文章になっているのです。

 

 

改善文
 私は、このコーヒーは苦すぎる感じる

 

主語である「私は」に対応する、「感じる」を書き加えました。

これで、ようやく文として成立します。

 

このように、主語と述語は、常に1対1で対応させなければならない関係なのです。

対応する述語がない文章は、意味すら通じないこともあるので気を付けましょう。

 

しかし、当然ながら例外はあります。

こちらをご覧ください。

 

例文
 このコーヒーは苦すぎる感じる

 

「感じる」に対応させていた、「私は」を省いてみました。

前述した内容から考えれば、1体1の関係が崩れたため、不可解な文になっているはずです。

しかしこの文は、違和感なく読むことができます。

これはなぜでしょうか。

 

 

この場合、感想や評価を述べているのは、書き手です。

書き手が主語になっていることは明らかなので、「私」が感じたことを述べている様子は書かなくても伝わります。

主語となる「私」を、いわば脳内で補完しながら読んでいるのです。

これこそが、述語に対応する主語がなくても自然に読める理由です。

 

 

例文をみてわかるとおり、主語を省略できるときには、必ずしも述語に対応させる必要はありません。

ただし、文字として書いていなくても、主語である「私」の存在があることは事実です。

つまり、主語を省略した場合でも、基本となる考え方は変わらないのです。

 

はじめに理解しておくべき原則は、主語と述語を対応させることです。

主語を省略するときには、対応すべき述語がうやむやにならないようにしましょう。

 

 

Posted by 赤鬼