逆接を連続させない
逆接は、効果的に使える接続詞のひとつです。
これで文章同士をつなげば、読み手の視点を変えて文章に抑揚をつけたり、書き手の主張を強調させたりすることができるのです。
しかし逆接を近い距離で連続させると、読み手の混乱を招いてしまう恐れもあります。
ギターよりもピアノを弾くほうが楽しいと感じている。
ところが、演奏に関してはギターのほうが得意だ。
しかし、上手にピアノを弾けるようになりたいので、これからたくさん練習するつもりだ。
「ところが」でつないだ直後の文に、「しかし」が使われています。
前の文で書かれていたものと、ほとんど逆の内容が次々と出てくる文章になっているのです。
このように逆接を連続させると、読み手を混乱させてしまいます。
原文のように、同じ段落のなかで2回以上の逆接が使われているときには注意が必要です。
対策の前に、書かれている内容を紐解いてみましょう。
A. ギターよりもピアノを弾くほうが楽しいと感じている
B. ところが、演奏に関してはギターのほうが得意だ
C. 上手にピアノを弾けるようになりたいので、これからたくさん練習するつもりだ
原文では、ABCの間に逆接をはさみこんでいるので、A+逆接+B+逆接+Cという構造になっています。
この構造を踏まえて、文章を再構成しながら対策を考えましょう。
ギターよりもピアノを弾くほうが楽しいと感じている。
しかし、演奏に関してはギターのほうが得意だ。
上手にピアノを弾けるようになりたいので、これからたくさん練習するつもりだ。
この構成は、A+逆接+B+Cです。
「しかし」を削除することにより、使われている逆接が1つになりました。
原文よりもシンプルな構成なので、理解しやすくなりました。
ギターよりもピアノを弾くほうが楽しいが、演奏に関してはギターのほうが得意だ。
上手にピアノを弾けるようになりたいので、これからたくさん練習するつもりだ。
ここではAの内容に「だが」を取り込んで文をつなぎ、Cにつながる「しかし」は削除しました。
改善文1と同様、A+逆接+B+Cという構成ですね。
演奏に関してはギターのほうが得意だが、ギターよりもピアノを弾くほうが楽しいと感じる。
上手にピアノを弾けるようになりたいので、これからたくさん練習するつもりだ。
ここでは文章の順番を入れ替えて、B+逆接+A+Cとしました。
逆接のあとに続く文は強調されるので、書き手が伝えたい内容によってはこのような書き方もできます。
例として3つの文章を挙げましたが、いずれの場合も使われている逆接は1つのみです。
同じ内容で書かれていても、目移りすることなく読み取れる文章になったことが実感できたはずです。
逆接を使うときには、連続させないようにしましょう。
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