読み手のことを考えない文章が起こしたトラブル

以前、なんとなくテレビを観ていたときのことです。

興味深いニュースが流れこんできました。

ある旅行会社と利用客との間で、金銭トラブルが生じているとのこと。

その内容が、書き手として考えさせられるものだったのです。

旅行会社と利用客は、プランについてラインで打ち合わせをしていました。

発端になったのは、そこでのやりとりだそうです。

旅行会社「オプションを追加いたしますか?」

利用客「結構です。」

旅行会社の文言が一語一句違わずに合っているかは、定かではありません。

利用客の「結構です」については、間違いなくこのように表現されていました。

注目すべきは、この利用客の文言です。

利用客としては、「(いいえ)結構です」と伝えたつもりでした。

しかし旅行会社は、これを「(オプションを追加していただいて)結構です」と解釈しました。

文言のとらえ方に、認識の違いが生じてしまったのです。

これによって利用プランの金額が変わってしまったため、金銭トラブルに発展したという状況です。

根本的な原因は、どこにあるのでしょうか。

旅行会社の担当者が勘違いしたから?

いいえ、個人的な考えでは、利用客の伝え方に問題があったと思います。

きちんと確認しないままオプションを追加した旅行会社には、たしかに過失があります。

しかし利用客に非がないかといえば、それは違います。

利用客としては、「いいえ」とはっきり断って、不躾な印象を与えてしまうことを恐れたのでしょう。

その気遣いはとても大事なことですが、質問に対する受け答えとしてはあいまいすぎます。

日本には、相手の気持ちを察することを美徳とする文化があります。

多くを語らずとも、相手がなにを思っているのかを汲み取り、行動に移す。

「忖度」という言葉はまさにその典型例で、日本社会であればどのようなコミュ二ティにおいても必要とされる風潮です。

この場合、話し言葉で用いられるコミュニケーションのとり方を、書き言葉に持ち込んでしまったのです。

本当の意味で相手のことを考えるのであれば、“Yes”か”No”かをはっきりさせる必要があったのだと考えます。

それを怠ったのであれば、利用客の伝え方に問題があると言わざるを得ないでしょう。

まして、お金にかかわるやりとりであればなおさらですね。

書き手としての立場におきかえれば、読み手のことを考えていない状況なのです。

「伝わっているだろう」と油断していると、ちょっとした認識の違いが生じるかもしれません。

最悪の場合、金銭トラブルに発展する可能性だってあるのです。

今回のニュースで報じられているとおり、このような状況は身近に起こり得ることです。

仕事としての執筆はもちろん、普段のやりとりにおいても、読み手のことを考える姿勢を忘れないようにしましょう。

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