「イ抜き言葉」を使わない

 

書き言葉として使うにあって、ふさわしくないとみなされる表現は多々あります。

その内のひとつが、「イ抜き言葉」です。

例文をみながら、これについて考えましょう。

 

 

原文
このサッカー選手は、世界を舞台に活躍してる。

 

「イ抜き言葉」というくらいですから、どこかに「イ」を省いた箇所があるはずです。

おわかりのとおり、「活躍してる」という表現ですね。

これぞまさに、イ抜き言葉の典型例です。

 

話し言葉であれば、違和感なく聞き流すことができる表現です。

しかし、話し言葉を文章に持ち込むことは好ましくないとされています。

 

もちろん、イ抜き言葉も例外ではありません。

原文を読むと、どことなく軽率でいい加減な印象を受けたはずです。

 

イ抜き言葉が使われている表現を見直して、改善しましょう。

 

 

改善文
このサッカー選手は、世界を舞台に活躍してる。

 

ここで、原文と読み比べてみましょう。

「~してる」と「~している」から読み取る印象の違いに気がついたでしょうか。

原文はどこか幼稚な雰囲気をもった書き方でしたが、改善文は整然としていますね。

イ抜き言葉を使ってしまうと、文章の表情がこれほどまでに変わってしまうのです。

 

たとえ敬体や過去形であっても、

常体  × ~してる   ○ ~して

敬体  × ~してます  ○ ~してます

過去形 × ~してた   ○ ~して

 

個人のブログなど、自由に書ける文章であれば、あえてイ抜き言葉の使用を視野に入れることもできるでしょう。

文体をやわらかくすることで、文章の敷居を下げる効果が期待できるからです。

 

ただし、ビジネス文書のような正式なものには、当然ながらご法度ですね。

うっかりイ抜き言葉を使ってしまわないように、常日頃から気をつけましょう。

 

Posted by 赤鬼