「地の文」の性質
今回は、「地の文」について考えましょう。
小説家を目指しているのであれば、きっとどこかで聞いたことがあるはずですね。
まずは、定義について確認します。
地の文とは、会話文以外の文章のことです。
(厳密には「引用文」も省かれますが、小説の執筆においては一般的ではないので割愛)
言いかえれば、説明文と描写文がこれに含まれるということですね。
残念ながら、地の文を理解したところで文章力が向上するわけではありません。
小説を書き始めるにあたって理解しておくべきなのは、地の文がもつ性質です。
地の文が多くなると、小説は堅くなります。
理由としては、説明的な文章の割合が大きくなるからです。
説明文であれば、論理をもとに組み立てられているのが前提であり、読み手に理解してもらうのが目的です。
描写文も同様です。
具体的なイメージをもって実感させるためには、書いてある内容を読み手に理解してもらう必要があるのです。
つまり、地の文を書くほど読み手は頭を使う状態が続くため、硬い印象をもってしまうのです。
かといって、会話文を多く書けばいいというわけではありません。
会話文ばかりの小説は、ふわふわとしたあいまいな印象が強くなり、全体のまとまりや締まりがなくなってしまいます。
これらのバランスをとるには、自分が今どのような文章を書いているのかを把握しなければなりません。
あえて「地の文」と言語化することで、その意識が明確になるはずです。
地の文の性質を理解した上で、意識しながら執筆しましょう。
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