最小限の構成要素で描写する
小説には、必ず、場面の描写があります。
場面を描写するにあたって、書き手自身があいまいな理解であれば、きっとその状況を読み手に伝えることはできないでしょう。
書き手は、その状況の構成要素を把握していなければなりません。
これには、5W1Hを応用しましょう。
「Who(だれが)」
「When(いつ)」
「Where(どこで)」
「What(なにを)」
「Why(なぜ)」
「How(どのように)」
書き手は、その場面を具体的に説明できるよう、作りこむ必要があります。
資料をサンプルにして書く場合は、5W1Hを読み取ることから始めることをおすすめします。
何もない状態、つまり書き手の脳内から場面を生み出すこともあるでしょう。
その場合は、5W1Hを使いながら、場面の設定を細かく練ることが前提になります。
もちろん、描写するからといって、すべて書き出さなければならないわけではありません。
小説であれば、「When(いつ)」「Where(どこで)」などをすでに前述していれば書く必要がない場合もありますし、「Why(なぜ)」を説明すると展開上の都合が悪くなることもあります。
むしろ、書き手が物事を説明しすぎると、読み手は飽きてしまいます。
読み手が求めているのは、状況の詳細説明よりも、「そこで何が起きているか」だったり、「登場人物がどう考えて動くが」だったりします。
場面の構成要素は、最小限にして伝えることが重要なのです。
描写の度に既出の情報を提示されても、読み手は困ってしまいますね。
つまり、設定を練って場面を作りこむことは重要ですが、それを伝えるのは一部で良いのです。
読み手が誤解しない程度に、構成要素を取捨選択する。
その最小単位をもって、描写として書き出す。
こうした考え方をもって執筆すれば、コンパクトかつ濃密な内容を読み手に提供できるでしょう。
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