感覚を研ぎ澄ます

今回ご紹介する内容は、センスを磨くための方法です。

いわば、書き手としての思考を鍛える訓練ですね。

まずは、かんたんなイメージトレーニングを実践してみましょう。

最寄の駅から自宅まで。

その道のりを、誰かに説明するつもりで思い浮かべてみてください。

いかがでしょうか。

おそらく、目印となる建物を列挙しながら、方角や方向を示し、所要時間や距離を交えて導いたはずです。

自宅までの道のりを説明することが目的であれば、必要な情報を提示するだけで十分です。

なにも問題はありません。

しかしながら、文章での表現となると話は別です。

象徴的なものばかりに着目し、なおかつそのクセがついてしまえば、書き手としてのセンスを磨くことはできません。

とくに創作の場合は、これが顕著に当てはまります。

シンプルに情報を羅列させただけでは、物足りないのです。

前提として覚えておきましょう。

記憶から呼び起こされるイメージには、限界があります。

私たちの生活には、数多くの物事が同時に存在しています。

道端に咲く草花やすれ違った人、そのときの天気や気温、自動車の走行音やエアコンの室外機から流れでる空気の匂いなど・・・・・・

頭で考えただけでは思い至ることのない部分であり、現場でしか実感できないことでもありますね。

書き手であれば、このように細やかな物事も表現できるようになるべきです。

そのためには、現場に行く(取材をする)ように心がけることはもちろん、日ごろから感覚を研ぎ澄ませておくことが必要になります。

外出するとき、必要十分の情報だけにとらわれてはいけません。

目的地までの道のりと所要時間、こなさなければならない用事についてなど、さきほどイメージした内容と似た思考になってしまいがちです。

まずは一旦、心を落ち着かせましょう。

そして、書き手の視点で周囲を観察することが重要です。

通いなれた道であっても、細かな部分にはさまざまな発見があります。

むしろ、通いなれた道だからこそ、あらためて気づくことのほうが多いのかもしれません。

このような「発見」や「気づき」は、表現の幅を広げることにつながります。

手垢のついた言葉を並べるのではなく、独自の視点から物事をとらえ、表現できるようになります。

読み手を感心させるようなセンスを磨くためにも、感覚を研ぎ澄ませ、書き手としての視点をもちながら周囲を観察してみましょう。

■ 参考

文章の書き方 (岩波新書)

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