登場人物の「願望」から展開を考える

2019年3月21日

 

物語を書き進めていくと、展開の仕方に迷うことがあります。

アイディアが浮かばないパターンや、次の場面に上手く繋げられないパターンなど、書き手の思い描いていた筋から外れてしまう状況です。

今回は、これを解決するためのヒントをご紹介します。

 

 

もっともかんたんなのは、登場人物の願望を使うことです。

登場人物の願望は、物語に多くの展開をもたらすことができます。

 

 

たとえば、物語の主人公が「電車のなかで見かけた女性」に一目惚れしたとしましょう。

主人公は、女性のことを少しでも知りたいという思いから、さまざまな行動を起こします。

彼女がどの駅を利用してどの車両に乗るのかを調べたり、服装や雰囲気から職業を予想したり、街へ出かけて彼女に遭遇することを期待したり。

大まかな行動パターンや人物像が特定できたら、主人公は女性に近づくためにさらなる行動を画策するはずです。

 

こうして書いてみると、主人公がストーカーのように思えて怖くなりますね。

ただ、もしもこのことを主人公が自覚すれば、自分の気持ちと実際の行動からくる葛藤を描くこともできます。

主人公が事実上のストーカーになったとしても、また違った展開に繋がるでしょう。

 

 

このように、登場人物の願望さえあれば、たくさんの場面を設定することができます。

つまり、展開の可能性が広がっていくのです。

 

 

願望は、理屈や根拠をそえて説明する必要がありません。

人間の欲求だったり、衝動だったり、直感だったりは、理屈で説明できないものが数多くありますから。

 

前述した恋愛感情が良い例ですね。

「あの人に恋をした」という事実があれば、それだけで読み手は納得します。

恋をした理由や動機など、詳しく説明する必要はありません。

物語においてその説明が必要であれば別ですが、そうでない場合は違ったアプローチから説得力をもたせたほうが良いでしょう。

 

もちろん、恋愛要素でなくてもかまいません。

映画を観たいとか、キャンディーを食べたいとか、全速力で走りたいとかでも良いのです。

 

 

重要なのは、「どうしても〇〇したい」という願望を創り出すことなのです。

 

願望は、さまざまなところにドラマを生み出し、物語を動かします。

展開を考えるとき、外的な要因に縛られる必要はありません。

個人の願望だけでも、その後の場面はいくらでも書くことができるのです。

次の展開に迷い、筆が進まなくなった場合は、登場人物の願望を主軸に考えてみましょう。

 

 

■ 参考

 

 

創作

Posted by 赤鬼