【執筆環境】文章量を把握する【枚数と文字数】
今回は、以前ご紹介した記事の内容を発展させましょう。
上の記事に書いたとおり、構成の質を向上させるためには文章量を把握することが重要です。
文章量の確認方法は、執筆する環境や媒体など、それぞれの条件によって変わります。
ひとつひとつ考えていきましょう。
原稿用紙の場合
小説やエッセイを書くとき、基本的には「文字数」や「行数」で計算しません。
原稿用紙の枚数でカウントします。
原稿用紙を使って手書きするスタイルは、今となっては少数派でしょうか。
この場合は、実物を手にとりながら数えたり、原稿用紙にふった番号から文章量を把握することになります。
フィジカルな動作を伴うと考えれば、もっともわかりやすいカウント方法といえるかもしれません。
パソコンで執筆した文章であっても、出版社に原稿を送る際には原稿用紙の枚数に換算します。
表示された文字数の合計から割り出してもいいのですが、次のようなサイトやツールを使えばわざわざ計算する必要はありません。
■ 文字数カウント
原稿をコピー&ペーストするだけで自動的に原稿用紙の枚数へと換算してくれるので、とても便利です。
パソコンの場合
現代の書き手のほとんどは、デジタル機器を使って執筆しているはずです。
私自身、パソコンはもちろんのこと、スマートフォンやタブレットで執筆することも少なくありません。
ウェブ系の媒体で執筆するときは、「文字数」を指定されることが多いです。
構成上のボリュームの割りふりは個別に考えるにしても、文字数をもとに文章量を判断することになります。
使うソフトやアプリにもよりますが、文字数がわかりづらい仕様のものは選ばないようにしましょう。
意外に不便なのが、文書作成ソフトの代表格であるWordです。
古いバージョンのものやWord系フリーソフトなどでは、文字数がリアルタイムでわからなかったり、ダイアログボックスを表示しなければ把握できなかったりします。
新しいバージョンのWordであれば文字数がステータスバーに表示されるので、可能であればこちらを選びましょう。
一方でWordは、一行あたりの文字数を指定できたり、行数を表示できたりと、自由度が高い。
「一行40字」の設定で「十行進んだ」となれば、原稿用紙一枚ぶんの文章を書いたことが視覚的にわかるので、小説を執筆する場合にも便利ですね。
文字数だけでなく、単語数や段落数、原稿用紙での換算枚数を把握することもできるので、決して悪いソフトではありません。
使い方によっては、執筆作業を快適にしてくれるでしょう。
アプリの場合
執筆ソフトの選択肢は、Wordだけではありません。
スマートフォンやタブレットで執筆するとなれば、ノート/テキストエディター系のアプリも視野に入ってくるはずです。
動作や操作の軽快さを期待してノートパッド(メモ帳)を使う場合もあるでしょうし、複数の端末で原稿を共有するためにアプリをメインで使う場合もあるでしょう。
文章量を把握するという意味では、文字数がリアルタイムでわかるものを積極的に選ぶべきです。
スマートフォンやタブレットの画面では、文章全体を俯瞰でみることを得意としません。
パソコンに比べれば表示範囲も視野も狭くなるので、自分がどのくらい書いたのかを把握しづらいのです。
自分の書いた文章量を身体的に把握できるようになるまでには、時間がかかります。
こちらのアプリでは入力中に文字数がわかるので、良い目安になるでしょう。
もちろん、上記のように「動作や操作の軽快さ」「複数の端末で原稿を共有する」などのメリットを優先したいのであれば、この限りではありません。
アプリは仕様変更がひんぱんに行われますし、安定性に問題があればデータが消える可能性も考えられます。
ご紹介したように、文字数がわかるサイトにコピー&ペーストすれば文章量は把握できます。
アプリでの執筆は、使いやすさや信頼性を第一に考えるべきでしょう。
文章量はあくまで”結果“
文章の執筆は「総合力」が求められます。
目標とする文章量に到達することも大事ですが、内容の質がともなっていなければ、退屈な文章を書き殴ることにつながりかねません。
つまり、文章量はあくまで結果であり、目的にすべきではないのです。
長期間にわたって継続的に文章を書いている人であれば、執筆途中であってもおおよその文章量を把握することだってできます。
文章量を身体感覚として把握するまでには、自分なりの”すり合わせ”が必要で、今回の内容はそのプロセスの一部というわけですね。
一回の執筆にかかった時間や筆の進み具合だけでなく、自分自身の疲労感もふくめて、実際の文章量を照らし合わせる。
相応の修練と長い年月が求められますが、近い将来感覚的に文章量を把握できるようになります。
執筆する環境はさまざまですし、主戦場とする媒体もまた人それぞれです。
ただし、「現時点で自分がどのくらい書いているか」「このくらいの作業時間でどれだけ進んだか」「この内容でどのくらいの厚みになったか」は、文章のジャンルを越えて向き合うべき題材です。
好みやスタイルを最適化しつつ、文章量にも意識を向けながら執筆しましょう。
■ 参考
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