ファミレス言葉を避ける
レストランやカフェで、しばしばこのようなセリフを耳にします。
「お待たせいたしました、アイスコーヒーになります」
この文末表現は、誤用です。
「なります」は「成ります」であって、AからBになるときの状態変化に使われる表現です。
お客さんにアイスコーヒーを提供したのであれば、元からアイスコーヒーでなければなりません。
提供から5秒後くらい経てばホットコーヒーがアイスコーヒーに変わるというなら話は別ですが、そんなはずはないですね。
つまり、本来であればこのように表現すべきです。
「お待たせいたしました、アイスコーヒーでございます」
このような誤用とされる表現は、ファミレス言葉とも呼ばれています。
ファミレス言葉は、語感がやわらかく、丁寧に聞こえます。
しかし、日本語として不自然な表現が多く使われています。
● ファミレス言葉の例と改善例
「5,000円からお預かりします」 → 「5,000円、お預かりします」
「おタバコはお吸いになられますか」 → 「おタバコは、吸われますか」
「以上でよろしかったでしょうか」 → 「以上でよろしいですか」
話し言葉は、書き言葉に影響を与えます。
特にファミレス言葉のような、日常生活のなかで耳に入ってくる言葉には注意が必要です。
このような表現は、文章に持ち込まないようにしましょう。
誤用とされる日本語を識別できるように、普段からアンテナを張っておくことが重要です。
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