長すぎる修飾を避ける

 

文章が長くなれば、読み手に負担をかけることになります。

書き手として特に気をつけたいのは、修飾するときです。

文のなかで長々と修飾してしまえば、読みづらい文章になってしまうのです。

 

 

原文
アメリカの政治制度は大統領制のため、国のトップになれる可能性は誰にでもあるが、日本は議院内閣制のため、総理大臣になれる人物は限られている。

 

意味が伝わらないわけではなく、悪い文章だと断言できるようなミスも見受けられません。

しかしながら、どうにも読みづらい印象があるのはなぜでしょうか。

 

 

原因は、修飾部が長すぎるところにあります。

この修飾部はいわば「前置き」で、「日本は議院内閣制のため、総理大臣になれる人物は限られている」につなげるための役割をもっています。

 

この部分が長すぎるため、伝えようとしている事柄が伝わりづらくなっているのです。

結果として、内容を理解するために多大なエネルギーが必要になってしまいます。

 

 

改善文

アメリカの政治制度は大統領制のため、国のトップになれる可能性は誰にでもある。

一方、日本では議院内閣制を採用しているため、総理大臣になれる人物は限られている。

 

「前置き」だった部分を、文として独立させました。

このように、修飾部が長すぎる場合は、文を区切ってみるのもひとつの手です。

 

原文では、最初から最後まで目を凝らしながら読む必要がありました。

句点や接続詞を加えて文を区切れば、読み手は休憩をはさみながら読むことができるのです。

エネルギーの消費をおさえるための工夫なのです。

 

 

取り扱うテーマによって、作成する文書が長文になってしまうことはあります。

それは仕方ないにしても、一文のなかで長々と修飾する書き方は避けましょう。

例に挙げたような、ほんの少しの工夫で良いのです。

それだけで、見違えるほど読みやすくなります。

 

 

Posted by 赤鬼