【応用編】誤読を避けるための読点
基本的な読点の用法については、こちらの記事でご紹介しました。
その中から、「誤読を避けるための読点」をピックアップして詳しく説明します。
以前の記事では、この文を例に挙げました。
● ここではきものを脱いでください。
今回は別の例を見ながら、誤読を避けるための読点の本質について考えましょう。
美しい水車小屋の娘。
A. 美しい、水車小屋の娘。
B. 美しい水車小屋の、娘。
この例も同様に、誤読を避けるための読点がいかに重要かを示しています。
AとBを比べると、読点の位置によって「美しい」が意味する箇所が変わります。
もしも読点がなければ、修飾関係があいまいなため、何を指して「美しい」と書いているのかを読み取ることができません。
つまり、この用法で使われている読点は、語句や節の修飾関係を明確にする作用をもっているのです。
これこそが、誤読を避けるための読点の本質です。
より実用的な例を見て考えましょう。
さて、この文で「血まみれになっている」のは誰でしょうか。
書き手の脳内では修飾関係が明確になっているかもしれませんが、このような書き方では誤読が生じます。
改善しましょう。
A. その刑事は血まみれになりながら、逃走した強盗を追いかけた。
B. その刑事は、血まみれになりながら逃走した強盗を追いかけた。
血まみれになったのは、刑事なのか。
はたまた、強盗なのか。
読点を適切に打てば、伝わるように書くことができます。
「ここではきものを脱いでください」や「美しい水車小屋の娘」は、よく使われる古典的な例です。
わかりやすく示されていますが、あまり実用的だとはいえません。
「誤読を避けるための読点を使って、修飾関係を明確にする」
この本質を理解して、適切に運用することが重要です。
そうすれば、どのような文章でも、読み手を困惑させる書き方にはならないでしょう。
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