二重敬語に注意する
意味の重複や内容の重なりを避けることは、文章における原則のひとつです。
これは、二重敬語についても同様です。
相手を敬う気持ちが先走りすぎると、次のような間違った表現になってしまいます。
原文
社長様が、お見えになられました。
この文では、2つの二重敬語が使われています。
1つ目は「社長様」です。
「社長」や「課長」などの役職、「先生」などの職名は、敬称扱いするのが通例です。
言葉そのものに尊敬の意味が含まれているので、これらに「様」をつける必要はありません。
2つ目は「お見えになられ~」の表現です。
「お(ご)~になられる」は、間違えやすい二重敬語の典型例です。
正しくは、「お(ご)~になる」とすべきなのです。
これらを踏まえて、二重敬語になっている箇所を修正しましょう。
改善文
社長が、お見えになりました。
これで、二重敬語は解消されました。
文末の「ました」は丁寧さを表現する敬体表現なので、敬語とは性質が異なります。
この場合は、そのまま使いましょう。
役職や職名に尊敬の意味が込められていることは、学べばすぐに実践できるので問題ないでしょう。
やはりポイントとなるのは、「お(ご)~になる」の表現です。
● お買い求めになられる ⇒ お買い求めになる
● ご覧になられる ⇒ ご覧になる
間違った使い方をしばしば見聞きする表現なので、注意が必要です。
特に、文章として書く場合には、正しい日本語を使うように心がけましょう。
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