英語の直訳調を使った書き方

2017年11月5日

 

今回は、あえてシンプルに書かない表現をご紹介します。

一歩踏み外してしまうと、わかりづらく文章になってしまう諸刃の剣です。

しかし、これを使いこなすことができれば、あなたの文章は間違いなくステップアップできます。

 

 

例文2
問題解決のために話し合いをしよう。

 

この文からは、どのような問題が起きたのかを読み取ることができません。

しかし、ある程度フランクな書き方をしているため、緊迫した状況ではないように思えます。

 

内容が十分に伝わる書き方ですが、あえてこれを英語の直訳調に書き直してみましょう。

 

 

例文2
私たちは、この問題を解決するべく、話し合いの場を設けるべきだ。

 

英語にすると、”We should set up a discussion forum to solve the problem.”となります。

この内容を、ほぼそのまま日本語に訳してみました。

 

例文1と比較すると、整然とした書き方になっていますね。

内容を見ても、何かしら重大なことが起きたような印象を受けるはずです。

 

このように、英語の直訳調には、内容を強調する効果があるのです。

カタカナを使った強調と同じように、書き方を工夫することで読み手にアピールする手法のひとつです。

「わかりづらいからこそ、読み手の目を引く」といった、いわば逆転の発想ですね。

 

ただし、この強調機能の使用はあまりおすすめしません。

理由は、まわりくどい表現であることに変わりはないからです。

 

英語の直訳調で書かれた文章は、たたでさえ読んでいて疲れるものです。

本来であれば、このようなまわりくどい表現を使わずに、わかりやすく書くことが大前提のはずですね。

それを覆して強調するのですから、書き手は使いどころを見極める必要があります。

 

直訳調で書かなければ強調できない、このような状況は限られています。

 

● 約物や色分けを使った強調ができない場合

● 組み込んでも違和感のない筆致で書いている場合

● 他の部分に強調表現を使っていない場合

 

このような条件を全て満たすのであれば、初めて選択肢として入れても良いでしょう。

 

もちろん、くれぐれも使いすぎには注意が必要です。

強調効果を失うだけでなく、文章全体が野暮ったく見えてしまうからです。

 

執筆にあたって、シンプルに書くという姿勢は大原則のひとつです。

もしも直訳調でアピールしたい部分があれば、使いどころをしっかりと考えなければなりません。

ここぞというときを見極めて、効果的に使いましょう。

Posted by 赤鬼