聞きかじりの言葉に注意する
言葉の意味は、正確に覚える必要があります。
どこかで聞いた表現を、あいまいな解釈をしたままの状態で使ってはいけません。
自分のボキャブラリーについて、過信や油断があると、次のようなミスが起こってしまうかもしれません。
原文
取材許可を得るため、しつこく引き下がった。
わかっている人からすれば、すぐにこの文のおかしな点に気づきます。
後半の「引き下がった」という表現ですね。
書いた本人としては自然な言葉遣いのつもりでしょう。
正しい表現に書き直すと、このようになります。
改善文
取材許可を得るため、しつこく食い下がった。
「引き下がった」ではなく、「食い下がった」とすべきですね。
このように、日本語には音や表記、意味が似通っている表現が数多くあります。
例:「制作」、「製作」
「なおざり」、「おざなり」
「汚名返上」、「名誉挽回」
これらを安易に使ってはいけません。
かしこく見せるために無理をして使おうとするのは、もってのほかです。
原文のようなミスがあっては、文章が台無しになってしまいます。
正しい意味を知らないような聞きかじりの言葉は、使わないようにしましょう。
何事にもいえることですが、「わかっているつもり」の状態がもっとも危険です。
意味を履き違えて使ってしまう言葉は、書いた文章はもとより、書き手としての力量をも否定しかねません。
執筆において、過信や油断は禁物なのです。
普段からの言葉遣いや日々の読書において、言葉に対するアンテナを張っておきましょう。
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