「または」と「もしくは」の使い分け

 

語句を並べるとき、「または」や「もしくは」といった接続詞を使うことがありますね。

どちらも同じような意味、同じような使い方をする接続詞です。

しかし、これらの適切な使いどころは、少し変わってくるのです。

今回は、「または」と「もしくは」の使い分けについて考えていきましょう。

 

 

原文

丸い果物の絵を描いてください。

りんごまたは青りんご、もしくは梨でも良いですよ。

 

意味は十分に伝わる文章ですね。

しかし、「または」と「もしくは」の使い方をみると、適切ではありません。

使い分けのセオリーは、次のようになります。

 

 

「または」と「もしくは」の使い分け

語句のつながりが大きく変わるとき  ⇒  「または」

語句のつながりが小さく変わるとき  ⇒  「もしくは」

 

例にでた果物から考えましょう。

「りんご」と「青りんご」は味や見た目が違うものの、大枠としては似たような果物ですね。

しかし、「梨」はこれらとの関係が遠くなります。

 

つまり、「りんご」から「青りんご」への接続は、これらのつながりが小さく変わります。

「梨」に続くとなれば、つながりは大きく変わります。

 

「または」と「もしくは」のセオリーに従えば、次の文のようになります。

 

 

改善文

丸い果物の絵を描いてください。

りんごもしくは青りんご、または梨でも良いですよ。

 

語句同士の変化が小さい「りんご」から「青りんご」は、「もしくは」でつなげます。

つなげたときの変化が大きい「梨」は、「または」を使いました。

このような使い分けが、正しいとされています。

 

 

ポイントは、接続する語句の関係性を考えることです。

例にあげた文章では、小さな変化(もしくは)から大きな変化(または)に展開するように並べました。

語句の関係性をしっかりとらえていれば、次のように書くこともできます。

 

 

例文

丸い果物の絵を描いてください。

またはりんご、もしくは青りんごでも良いですよ。

 

これは、大きな変化(または)から小さな変化(もしくは)で並べた例ですね。

 

語句の関係性をとらえるには、このように意味や性質の違いを考える必要があります。

 

「りんご」≒「青りんご」≠「梨」

 

すると、「または」でつなぐべきか、「もしくは」でつなぐべきかが、明確になるのです。

語句を並べるときは、その関係性に注意しながら上手につなぎましょう。

 

Posted by 赤鬼