文章の最初と最後をシンクロさせる
文章を書いていると、最初と最後で内容が変わっていることがよくあります。
今回は、これをシンクロさせることについて考えていきましょう。
流れのまま書くと文章が散らかってしまい、読み手にうまく伝わらない恐れがあります。
シンクロさせないと文章が散らかる
例
女性であり続けるのは大変なことだ。
だからたまに「私、中身は男だから」と逃げてしまうことがある。
一瞬ラクな気持ちになれるけれど、同時にいつも罪悪感を覚える。
相手に対して、予防線を張った気持ちになってしまうからだ。
4行程度の短い文であれば、書きたいことはなんとなく伝わります。
しかしたった4行しかない文章であっても、文章が散らかっている印象は受けてしまいます。
理由は単純で、文章の最初と最後がシンクロしていないからです。
● 「女性であり続けるのは大変なことだ」
⇒ 社会的なセクシャリティの話
● 「予防線を張った気持ちになってしまうからだ」
⇒ コミュニケーションの方法論
それぞれが独立した文章であって、双方の内容をかんたんに結びつけることはできません。
次項でシンクロさせてみましょう。
シンクロさせると文章の締まりが良くなる
例
女性であり続けるのは大変なことだ。
だからたまに「私、中身は男だから」と逃げてしまうことがある。
一瞬ラクな気持ちになれるけれど、同時にいつも罪悪感を覚える。
その罪悪感によって、どんなに大変でも「私は女性であり続けたい」と自覚するのだ。
この文章の書き手は、女性であり続けることが大変だとする一方で、それを「捨てたくない」わけですね。
だからこそ前項では「予防線を張りながらコミュニケーションをとる自分」に罪悪感を覚えたのです。
本意がそうであるならば、女性であり続けることを否定しないようにもっていったほうが良いですね。
そこで、最初に書いた要素を流用しながら結論としてまとめました。
同じコンテンツを共有することで、それぞれを強く結びつけているからこそ、文章がきちんと締まりました。
前項のように、内容が脱線しているわけでもありません。
最初と最後の内容をシンクロすれば、締まりの良い文章になるのです。
書き終えたあとで確認を!
文章の最初と最後を見比べていると、内容が変質していることがあります。
この「内容が変質する現象」は、文章が長ければ長いほど発生する確率が高くなります。
もちろん例文挙げたように短い文章でも起こり得ることですから、書き手は注意しなければなりません。
だからこそ、文章の最初と最後シンクロさせることが重要なのです。
この意識をもてば、よほどのことがない限り、あべこべな文章になることはありません。
途中で多少脱線しても、最初と最後が呼応していれば、文章は締まりが良くなります。
自分の文章を見返したとき、最初と最後がシンクロしているかをしっかり確認しましょう。
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