「読ませどころ」を意識する
どこに物語の重点をおくか。
これについても、書き手はしっかりと考えなければなりません。
いわゆる、「読ませどころ」ですね。
恋愛ものであれば、出会いの瞬間や恋に落ちるきっかけ、あるいは別れや再会でも良いでしょう。
書き手は、このような「印象的な場面」を描くことで読ませどころを表現するのです。
盛り上がる部分がなければ、作品全体が単調でのっぺりとした雰囲気になります。
逆に、キャッチーな場面を並べるだけでは、乱雑な雰囲気の作品になってしまいます。
作中のバランスをとるためにも、こうした読ませどころは意識しなければならないのです。
もちろん、その場面を引き立てるための準備も必要です。
たとえば、特定の場面を印象づけるため、登場人物の生い立ちや日常生活を意図的に描写するなど。
ほかの場面において、読ませどころにつなげるための伏線を張っておくことも効果的ですね。
方法はさまざまではありますが、読ませどころを決めることでそれを主軸に構成を考えられるのは確かです。
また、これは執筆のスピードにも影響します。
考えなしに書き始めると、文量の配分がおかしくなったり、内容が悪い筋に入っていることに気がつかなかったり、収拾がつかなくなる場合があります。
読ませどころを決めるということは、「物語のヘソ」を明確にすることでもあります。
印象的な場面を基準に組み立てることで、書き手自身が迷子になる事態を防ぐ効果も期待できます。
つまり、これは書き手のためでもあるのです。
読み手のことを考えて書くのは大前提ですが、効率的に組み立てるための工夫は必要です。
読ませたい場面を意識しながら、執筆しましょう。
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