作品のリアリティを意識する
芸能人やスポーツ選手など、著名人が書籍を出版することがありますね。
なかには、あきらかにゴーストライターの手で書かれたであろう文章が並んでいるとわかる書籍もあります。
それをわかっていても、ファンはその内容を知りたがり、お金を払います。
なぜでしょうか。
書籍に書かれている内容を通じて、その著名人のリアリティを垣間見ることができるからです。
読み手は、どのような文章にもこの「リアリティ」を求めています。
文章にとって、リアリティは必要不可欠な存在なのです。
さて、小説について考えましょう。
小説においては、一部の作品を除き、ほとんどが創作物として扱われます。
かんたんにいえば、小説のほとんどはウソの物語なのです。
そして、読み手はこのことをわかっていながらも、なおリアリティを求めているのです。
SF作品が良い例ですね。
誰がどうみても、ウソの物語とわかる作品であっても、その設定や背景に矛盾が生じていれば、興ざめしてしまうでしょう。
ここでいうリアリティとは「設定の熟成度」といいかえることもできます。
登場人物や時代背景、描かれる舞台やストーリーの流れなど、書き手はリアリティを損なわないよう作りこまなければなりません。
それを生かすべく、素材となりえるモノを使ったり、構成や人物像を整えたりと、さまざまな工夫を凝らすのです。
熟成された設定、つまり「作りこまれたリアリティ」は、作品に命を吹きこみます。
小説がもつ大きな魅力のひとつでもあり、書き手からすれば執筆の醍醐味でもありますね。
そして、この部分に読み手の心が動かされるのです。
リアリティへの意識付けがなされていなければ、どうなるでしょう。
丹精こめて書いた作品であっても、他者からは認められない。
そのような結果に終わってしまうかもしれません。
あなたの作品を「良い作品」にするべく、リアリティへの意識を高めましょう。
■ 参考
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