「和語」「漢語」「外来語」を使い分ける
今回は、表記について考えます。
日本語の文章における主な表記は、「ひらがな」「カタカナ」「漢字」です。
さらには、そこに「アラビア数字」や「アルファベット」も加わります。
さまざまな表記に対応した、とても寛容な言語なのです。
こうした日本語の寛容さは、ときに書き手を困らせることがあります。
例をみながら考えていきましょう。
① 光のような 速さ で駆け抜けた。
② 光のような 速度 で駆け抜けた。
③ 光のような スピード で駆け抜けた。
①~③の文を見ると、表記が違っている言葉があります。
「速さ」「速度」「スピード」ですね。
それぞれ、次のように分類されます。
● 「速さ」 ⇒ 和語
● 「速度」 ⇒ 漢語
● 「スピード」 ⇒ 外来語
どれも一般的に使われている表記のため、文の意味は通じるでしょう。
ただし、書き手はこれに甘えてはいけません。
表記の違いによって、読み手が受ける印象に変化があるのです。
● 「速さ(和語)」は、やわらかい印象
● 「速度(漢語)」は、硬い印象
● 「スピード(外来語)」は、斬新でくだけた印象
これを踏まえて、もう一度だけ、例文を見てみましょう。
① 光のような 速さ で駆け抜けた。
② 光のような 速度 で駆け抜けた。
③ 光のような スピード で駆け抜けた。
同じ意味でも、まるで違ったことを表しているかのように思えてきます。
書き手は、読み手の目にどう映るのかを考えながら、表記を使い分けるべきなのです。
文章の種類によって適切な表記は変わるものの、自由に書ける文章であればどれを使っても間違いではありません。
しかし、書き手が伝えたい内容をもとに考えれば、おのずと正解は見えてくるはずです。
● やわらかく伝えたい ⇒ 和語を使う
● 硬く伝えたい ⇒ 漢語を使う
● 新奇なイメージで伝えたい ⇒ 外来語を使う など
せっかく伝えるのであれば、その純度が損なわれないような表記で書きたいですね。
文章をどのように伝えたいかによって、和語や漢語、外来語を使い分けましょう。
■ 参考
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